法則2 「社員のために」がヤル気を生む

 社長がまず何よりも社員のためにしなければならないのが、「社員を守ること」です。

 守るべきは、社員の毎月の給与であり、雇用であり、成長であり、家庭であり、将来です。どれも社員の人生にとっては重要なものであり、何があっても社長が守ってくれる環境があれば、社員は安心して働くことができます。逆に、これらが保証されていないと、仕事へのモチベーションは著しく下がります。

 ただ、これらと同等、いやそれ以上に社長が守らなければならないものがあります。それは「社員の自尊心」です。メンツ、体面と言ってもいいかもしれません。

 社長は、社員の自尊心を傷つけるような言動は決してしてはいけないし、もし社員の自尊心が損なわれそうなことが会社内で起きていたら、真っ先にフォローしなければなりません。

 自尊心とは、自分自身を大切に思う気持ちです。社長が「社員の自尊心を守ろう」と動くことで、社員は「自分はこの会社で大切にされている」と感じることができます。そうした関係を築けてこそ、お互いに信頼し合うことができるし、社員に「この会社で仕事をがんばろう」と思ってもらえるのです。

法則3 伝えたいときこそ、聞く

 社長という立場にあると、部下である社員に対して、言いたいことを言う場面はよくあります。では、その逆はどうでしょう?

 社長としては、言いたいことを言っているので、満足しているかもしれません。しかし、その状況は、組織としてはかなりのマイナスです。

 ひとつには、社員は言いたくても言えない状況なので、フラストレーションが溜まります。また、本来ならば社長は的確な指示を出したり、判断をするために情報を収集しなければならないのに、情報源である社員が話したくても話せない環境を自ら作ってしまっているからです。