「Pleaseをつければ、丁寧な表現になる」と思っていないだろうか? しかし、Pleaseをつけることで、命令表現になることもあるのだ。ポイントを解説する。
依頼表現の基本を学ぼう
「Please をつければ丁寧表現になる」と勘違いしている人は多い。次の英文を見てほしい。
(すぐに処理してください)
このような場合は要求であり、場合によっては事実上の命令となる。部下が上司に対して使うような表現ではない。下記は、依頼表現と命令度の強さをまとめたものだ。下にいけばいくほど、命令度が増す(丁寧さの度合いが低下する)。
・Would you explain?(説明していただけませんでしょうか?)
・Could you explain?(説明していただけませんか?)
・Can you explain?(説明してもらえますか?)
・Please explain.(説明してください)
・You need to explain.(説明しなさい[説明義務がある])
・You must explain.(説明しなさい[説明しなければならない])
・You’d better explain.(説明しなさい、さもないと〜)
take care of ~を「~の世話をする、気をつける」と覚えている人が多いが、take care of ~には「~を引き受ける、~を処理する」という意味もある。たとえば、I’ll take care of it.と言えば、「それは私がやっておきます」という意味だ。レストランなどでは、it が伝票であれば、「私が払っておく」という意味になる。
Please respond promptly. を
乱用しない!
メールなどでPlease respond promptly.を使う人が多い。しかしこれは、「お返事をいただけないでしょうか」という丁寧な表現ではなく、「すぐに返事をください」という命令である。
何度も催促しているのに返事がない、あるいはいつも返事が遅れがちな相手であれば、このような口調もあり得る。とはいえ、たとえクレームでも、最初からこうした表現は強すぎる。