疑問形で相手に主導権を渡す

 このスキルでもうひとつポイントになるのが、疑問形を使うことです。
 先ほどの例で、部長が考えるクレームの原因が的外れだったとしても、「それは違うと思います」なんて言う必要はありません。追加提案する形で質問を投げかけるからこそ、スムーズに話が深まっていくのです。

 実は、疑問形はいろいろな場面で使える、とても便利な表現法です。
 挨拶の場合、「いらっしゃいませ」「ようこそおいで下さいました」と言うだけでなく、

「寒くありませんでしたか?」
「駅からの道順、わかりづらくありませんでしたか?」

と付け加えるだけでとても丁寧な感じになります。
「お久しぶりです」「ご無沙汰しております」というのも、

「お変わりはありませんか?」
「あれから××はいかがですか?」

と付け加えると、気遣いを感じます。
 その他、「お茶をお持ちいたします」は

「お茶をお持ちいたしますが、熱いものと冷たいもの、どちらがよろしいですか?」

とするとどうでしょう。
 自己紹介する時も、

「○○です。ちょうど××さんのご出身地の隣の県生まれです。名物の○○、召し上がったことありますか? 今日お持ちしたので、ぜひ感想を聞かせて下さい」

 というように使うことができます。

 疑問形は何かを尋ねるためだけでなく、相手に返事を委ねることで、「自分がリードしているんだ」という印象を与える効果があるのです。
 疑問形は「アクティブ リスニング」では必須のスキルであり、ぜひ上手に活用してみてください。