Hanako女性と家族、コミュニティー
〈夫は対等なパートナー〉
夫を立てる感覚がまだまだ残るキネマ・団塊世代の女性とは異なり、夫は対等なパートナーというスタンスのHanako女性。子どもの独立や自分自身の会社卒業といったタイミングで、あらためて夫と向き合いはじめます。
「夫は仕事で帰りが遅く、結婚して20年、家でご飯を食べたことがなかった。最初は寂しかったが『家族は3人(自分と息子2人)』と思ってやってきた。夫が家にいると、子どもも緊張してすぐ自分の部屋に行っていたが、最近になって夫が私にすりよってくるようになり、だんだんと私のほうが威張れる感じになってきた。子どももママがしあわせなほうがうれしいみたいで、最近は私の味方をしてパパに反抗してくれる」(パート主婦Kさん)
「家事を分担するのは当たり前だと思っていたが、夫は何もできない。でも、そもそも一緒に遊びたいと思って結婚したし、かさばらない人なので、家事をしなくても、まっいいか、と思っている」(DINKS Kさん)
「夫には何でも話している。自分の人生のベースをつくっている部分だと思う。家庭は自分を取り戻す場所。自分が仕事をがんばることで、彼のサポートにもなるし、彼が家事をしてくれることで自分は仕事をがんばれる」(DINKS Fさん)
〈子どもは成果物〉
子どもは自分の成果物ゆえ、思いどおり育った子どもとは相思相愛で、自分の分身として距離感も近いのですが、そうでもない子どもは別ものとしてほどほどの距離感を保つのも、Hanako女性の特徴です。
「子どもは宝物、私の命。長男は本当に優しい子で、私の話もいつも聞いてくれるし、どこにでも付き合ってくれるが、もう大学生になるので、そろそろ子離れしてあげないとかわいそうだなと思っている。彼女ができたら、影で泣いちゃう。長男が犬だとしたら次男な猫タイプ。機嫌のよし悪しで対応が変わるので、長男のように話を聞いてくれない」(パート主婦 Kさん)
「次女が医者になりたいと言った時は、正直、大変な仕事だしお金もかかるし、どうしようと思ったが、決意が固かったので応援することにした。次女は結婚しても働くと言っているし、三女は結婚したら家に入りたいと言っている。どちらの生き方もありなので、本人が納得するやり方を選べばいいと思う。長女は中学生の頃、不登校で大変だった。高校卒業後に『うちが嫌だ』と言って出ていったが、むしろ肩の荷が降りて楽な気持ちになった」(専業主婦 Aさん)
〈カンファタブルなコミュニティーに属する〉
Hanako女性はこれまでさまざまなコミュニティーに所属してきましたが、これからは気が合う人や趣味嗜好が似ている人とのカンファタブルな関係だけが続いていくと想定されます。同世代女性との同志感覚や連帯感が強いのも特徴です。
「子どもの悩みが話せる保育園時代のママ友や、ネガティブも共有して心許せる昔の同僚は居心地がいい。普段から悪口は言わないようにしているが、ここならお互い言ってもいいかな、と思っている」(ワーキングマザーYさん)
「女友だちは、こんなことがあった、よかったね、と互いに気分があがる関係。おしゃれや考え方など刺激を受けることが多い。飲食店の嗜好性も共通しているので、リラックスした時間を過ごすことができる。貸し借りの関係がないので、面倒くささがない」(DINKS Kさん)
「自分の考えのある人と一緒にいると触発される。そうじゃないとつまらないし、あまり会わなくなる。白金高輪近辺のご近所女子とは、持ち回りでお料理女子会をしたり、ワイン、歌舞伎、パーティーなどいろいろやっているし、ゴルフ仲間は60代の女性実業家。結局、会う人はやりたいことが似ている人。ただ、隣近所の人たちとは挨拶を交わすくらい」(シングルキャリア Nさん)