更に言えば、このような思惑が背景にあるなら、思ったように羽田の発着枠を獲得できなかったり、日本経済がまた傾き出したりしたら、デルタが日本市場にまた見切りをつけてスカイマーク支援から手を引く(スカイマークへの出資分を他社に売却する)こともあり得るのではないでしょうか

日本経済がまた傾き出したりしたら、デルタが日本市場にまた見切りをつけてスカイマーク支援から手を引く(スカイマークへの出資分を他社に売却する)こともあり得るのではないでしょうかについて

デルタ航空:「デルタ航空では、日本をアジアネットワークの要として位置づけており、これまで67年間にわたり日本市場には重点的に投資をしてきました。世界経済の一翼を担う日本の経済が一時的に傾いたからといって、日本には国際線ネットワークが必要であり、お客様の渡航需要があることにはかわりありません。」

 ちなみに、おそらくそれらへの懸念からでしょうが、7月上旬に開催された自民党の航空政策特別委員会で、国交省航空局長はスカイマーク再生への外国エアラインの関与に関連して、

・外資の出資比率は3分の1未満である外資規制に加え、羽田に発着枠を持つスカイマークへの大手航空会社の出資は20%未満というルールがある
・羽田の国内線発着枠の国際線への転用は認められない
・JALの新規投資に関する制約から、スカイマークへの出資者がJALに出資分の株を売却しようとする場合、厳しく監督する必要あり

 といった趣旨の発言をしています。

メディアはもっと調べて報道すべき

 以上のように考えると、デルタがスカイマーク再生に関与しても、それが本当にどこまでスカイマークの再生に役立つのか、疑問に感じざるを得ません。航空会社がスカイマークの再生に関与する意義としては機体などの整備への支援もありますが、デルタがそれを担おうとしたら、スカイマークが持つ機体の整備資格を持つ者をヘッドハントしたり国交省航空局の認可を得る必要があって時間がかかることを考えると、なおさらです。

※「航空会社がスカイマークの再生に関与する意義としては機体などの整備への支援もありますが、デルタがそれを担おうとしたら、スカイマークが持つ機体の整備資格を持つ者をヘッドハントしたり国交省航空局の認可を得る必要があって時間がかかるについて

デルタ航空:「スカイマークの機体整備に不安があるかのような表現をされていますが、国土交通省も機体整備に問題があるとは言っていませんし、整備士が不足しているという話は聞いていません。整備の後方支援を行う部署に数名のスタッフが必要なのは理解していますが、それは航空会社の助けを借りなくても、スカイマークが自力で募集し、確保することができるものです。国土交通省の認可を受けた事業者である以上、スカイマークの機材の整備に関わる必要な人材は、単独で確保されるはずです。その上で、世界最大級の整備会社でもあるデルタ航空が支援できることがあれば、お手伝いしたいと考えています。デルタ航空は、日系航空会社の約4倍である800機近い機材を保有しており、スカイマークが運航しているボーイング737-800型機については、日系航空会社の2倍以上の73機を運航しています。また、5年前からスカイマークのボーイング737型機のエンジンのオーバーホールをアトランタで請け負っており、故障時に必要な交換用の部品をスカイマークに供給しています。」

 そうした色んな論点を無視して、デルタのスカイマーク支援への参戦を無条件で歓迎するかのような各紙の報道には改めて疑問を感じざるを得ません。競争促進による航空料金の低下を無条件で信奉しているとは思えませんが、ここで書いたような現実の問題を捨象したうわべだけの報道となっては、読者をミスリードしかねないのではないでしょうか。もうちょっとよく調べて是々非々で報道してほしいですし、私たち読者の側も、今の新聞はその程度なんだと注意しなければいけないなあと改めて感じてしまいます。