集中と時間術は切り離せない
1965年、札幌生まれ。札幌医科大学医学部卒。2004年から3年間、米国シカゴのイリノイ大学に留学。帰国後、(株)樺沢心理学研究所を設立。Facebookフォロワー15万人、メルマガ、YouTubeなどインターネットメディア、合計40万人以上を駆使し、精神医学・心理学をわかりやすく発信している。月20冊以上の読書を30年以上続け、読書数は6000冊を超える。新刊『読んだら忘れない読書術』(サンマーク出版)は15万部のベストセラーとなっている。著書は、『メールの超プロが教えるGmail仕事術』(サンマーク出版)、『「苦しい」が「楽しい」に変わる本』(あさ出版)など21冊。「中居正広のミになる図書館」(テレビ朝日系)などテレビでも活躍中。
佐藤 私が、「習慣化」と同じくらい大切にしていることが「集中」なんですが、樺沢先生は、どのようなやり方で集中されているんですか?
樺沢 私は、「集中」には「時間術」が切り離せないと思っています。よく「集中力を高める方法」という言葉を聞きますけど、本当はそれって無理なんですよね。集中力の訓練をものすごくしているアスリートの人ですら重要な場面でミスすることもあるわけですから、普通の人はなかなかできない。だから、集中力の高い時間帯に集中力を必要とすることをしたほうが自然なんです。
佐藤 集中力の高い時間帯とは?
樺沢 朝起きてから2時間くらいが「脳のゴールデンタイム」と言われていて、語学や数学、論理的な作業をするのに適している時間と言われています。
だから、私はその時間に集中して執筆するようにしています。逆に夜だと、午前中だったら15分で書ける原稿も1時間かかってしまう。
1日24時間という時間は、時間そのものは均一に流れていますが、実は脳のなかでは均一ではないんですね。朝と夜では、同じ1時間ではないんです。
佐藤 なぜ朝がいいんですか?
樺沢 朝起きたときは脳がまっさらな状態で整理されているからです。でも、時間とともに、いろいろなことをするたびに脳の処理スピードが落ちていってしまうんですね。
サラリーマンの皆さんは、よく始業とともにまずメールチェックをするけれど、その30分は、私に言わせれば3時間くらいのロスなんです。朝こそ頭を使う仕事をして、メールチェックは空いた時間やちょっと疲れたときに気分転換にやればいい。
佐藤 そうなんですね! うちの弁護士たち、お昼過ぎに来て夜遅くまで仕事してるんですが、それではダメですね(笑)。
樺沢 私も元々は夜型だったんですよ(笑)。でも、朝起きてすぐにシャワーを浴びる習慣をつけたら、完全に朝型に切り替わりました。シャワーで交感神経に切り替わるんですよね。
佐藤 なるほど。私の集中方法は、『ずるい暗記術』にもありますが、「イメージすること」なんです。「いまから集中して入り込む」というのを頭のなかでイメージしています。よく、イチロー選手がやるような。
樺沢 いわゆる「ルーティン」ですね。
佐藤 そうなんです。それが唯一絶対のスイッチとなって、イメージした瞬間にグッと入り込める。そうなると、あとはひたすら集中できるんです。