いま立ち上がって、
大切なものを自分で見つけよう
充実した人生、ひと味違う人生、意味のある人生というのは、自分で築き上げるもので、自分がいい人だからとか、お母さんが出前を注文してくれたからとかいった理由で転がり込んでくるものではありません。
建国の父たちがたいへんな苦労をして、きみたちの生存、自由、幸福の追求という――この「追求」というのは何とも前向きな動詞だと思いますが――侵すべからざる権利を確保してくれて、だから彼らには、ゴロゴロしながらYouTubeでローラースケートをするオウムなんかを見ているひまはほとんどなかっただろうということも、わかるでしょう。
最初のローズベルト大統領、あの(米西戦争で)「ラフ・ライダー」と呼ばれたセオドア・ローズベルトは、「たいへんな生き方」に挑戦することを唱道しました。ヘンリー・デビッド・ソローは生活を片隅に閉じ込め、深く生き、その髄をすべて吸い尽くすことを望みました。詩人のメアリ・オリバーは、漕ぎなさい、舟を漕ぎなさい、渦の中へ、激流の中へと言っています。このあたりでも、誰でしたか……忘れちゃったけど……ときどき若い学生に、いまを徹底的に楽しめって発破をかけている人がいますね。言いたいことは同じです。すぐに取りかかろう、いまやるんだ、ということですよね。インスピレーションや熱い気持ちが湧いてくるのを待っているんじゃなく。
いま立ち上がって、出ていって、探検をして、大切なものを自分で見つけよう、自分の両手でつかみとろう、ということですよね。(そうそう、きみたちが飛び出して、「YOLO」のタトゥーを入れに行く前に、あの流行の短い文句の論理のおかしいところも指摘させてください――きみたちはたったの一度しか生きられないのではなくて、もっと生きられるはずです。人生は毎日ありますからね。あれはYou Only Live Onceではなく、You Live Only Onceとすべきなんですけど……YLOOとしたら、響きも変わってくるから、まあいいかと思っているんですけど。)