「ライフハッカー[日本版]」「NewsWeek日本版」などのニュースサイトに、月60本近くのブックレビュー記事を寄稿し、年間700冊以上の読書量を誇る人気書評家の印南敦史氏。そんな多読生活を送る彼も、数年前までは「1ページ5分」かかるほどの超・遅読家だったという。

遅読にもかかわらず、毎日1本の書評を書くことになった彼がつかんだ、新時代の読書術「フロー・リーディング」とは? 最新刊『遅読家のための読書術』の内容をベースに、「読書スピードの遅さ」や「読書量の減少」に悩む人たちにお届けする。

読書量を増やしたいのであれば、まずは読書を「習慣化」しなければならない。習慣化するために必要なのは「穴」をつくらないことだ、と印南氏は語る。読書を「生活のリズム」に組み込むためのメソッドを紹介する。

読書を「生活のリズム」に組み込む

アメリカのR&Bシンガー、オリータ・アダムスが1990年に発表した『Circle of One』というアルバムの冒頭に、「Rhythm of Life」という曲が収録されています。

ゆったりと心地よい、当時のシングル・ヒット。25年を経たいまでも大好きな曲なのですが、実をいうと、曲そのものと同じくらい好きなのが「曲名」です。

人生のリズム」「生活のリズム」という意味ですから、別になんてこともないタイトルではありますが、なにかをするときには(そして生きていくうえでも)「リズム」は本当に大切。
読書という行為にとっても「Rhythm of Life」という考え方はとても大きな意味を持ちます。

端的にいえば、「本を読みたいのに、なかなか読めない」という人は、読書を「生活のリズム」の中に組み込むことに失敗しています。食事や睡眠のように生活の一部になっていないわけです。

あるいは、ウォーキングやランニング、それ以外の趣味などで、すでに習慣化に成功しているものがあるのに、読書を「なにか特別なもの」だと捉えてしまってはいないでしょうか?

そこで、今回からは読書を「習慣」にするための考え方について、3つのステップでお伝えしていきたいと思います。