今だって若いメンバーはハングリー

「最近の若い者は……」という言葉は、古代から言われていたという話をどこかで聞いたことがありますが、それほどに、世代間の価値観の違いというのは古くからあるもののようです。

そして、数年前からよく言われるようになったのが「草食系男子」―「若い男性が草食化してしまった」「最近の若者にはハングリー精神が足りない」などと嘆く先輩方がたくさんいます。

たしかに、いまの新入社員や大学生には、かつての若者たちのような「上司から指示されたことを全力で頑張り抜く」といった姿勢は見られません。「問答無用で働く」ことはなく、「なぜ働くのか」を問うてきます。

こうした現象を見て、私はある仮説を持ちました。それは「いつの時代も、若者は「ハングリー」なのではないか」ということです。

2013年のTEDxTokyoが開かれた際、私はこのテーマについて「ハングリー精神の新しい定義」という題名で語りました。Youtubeでトークが公開されたこともあり、海外からもたくさんの感想やコメントをいただきました。とくに若い世代からは国籍を問わず、「そのとおり!」という声がたくさん届き、自分の仮説に対してささやかな自信をいただきました。

いつの時代も、若者はすべての世代のなかで最も繊細で純粋な精神を持っています。ですから、いまの世の中にいちばん足りていないものに、誰よりも敏感に気づき、最初に声を上げるは、いつも若者です。