部活で気力・体力が身についた
佐山 それで6年の2学期に復帰するんですが、私は小さいころから洛星中学を受験しろって言われていて、自分でも母親に言われるまま「そういうもんなんやろな」と思ってたんです。でも、病気をして、受験勉強もロクにできなかったし、みんなが受けてるような模試も受けたことがなかったんですけど、学校は家から自転車で6分のところにあるし、母親も受けろっていうから「受けるだけ受けとくかぁ」という感じの無欲で受けたんです。そしたら、なぜか受かってしまったんです。
ムーギー 洛星というと、当時から京都の伝統的な名門校として有名だったと思うんですが、やっぱり昔から試験勉強とか得意だったんですか?
佐山 いや得意なんてもんじゃなくて、試験勉強ってほんとにあんまりやってなかったんですよ。ただ、マジメだったから、普段から宿題だけはちゃんとやってたんで、それがよかったのかもしれませんね。実際、試験はギリギリだったと思いますよ。
ムーギー それで洛星に入られて、どうなっていくんですか?
佐山 洛星では中学1年の4月から野球部に入るんですが、いまの私があるのは洛星の野球部のおかげです。これはあちこちで言ってますが、そう言い切って間違いないですね。
ムーギー 洛星の野球部って、進学校の割に練習量がすごいですよね。私が属していた超ソフト・コアな生物部と異なり、かなりハード・コアな部活であることを知っています。
佐山 そうそう。毎日練習で休みがないんです。実際、高3の夏まで朝7時から、毎日練習してましたから。朝練した後、授業を受けて、二時間目が終わったら自分だけお腹が空くからお弁当を食べて、昼は昼で食堂へ行ってカレーとか、中華そばとかを食べる。その後グラウンド整備ですよ。放課後は暗くなるまで練習して、それで自転車で家に帰るんですが、お腹は空いてるんだけど、眠たくってどうしようもないから、とにかくすぐ寝ちゃう。5年半、毎日そんな生活をしてました。
ムーギー 洛星の野球部って、そんな生活の人が多かったですよね。
佐山 そうですね。でも、あの野球部のおかげで、気力と体力がついたっていうのは本当に大きかったですよ。仕事でもなんでも気力と体力って必要ですけど、野球部時代にそこが鍛えられたのは間違いないですね。それと、野球をやることで「勝負好き」になれたというのも大きいような気がします。
ムーギー 勝負好き?どういうことですか?
佐山 野球部だと当然、強豪相手とも戦わなくちゃいけないじゃないですか。そのときに、強い相手に挑んでいく気持ちみたいなものを学びましたし、勝ったときの達成感を教わったという感覚は強くあります。結局、ビジネスって勝負なんですよ。そういう勝負に挑んでいくとか、勝ったときの達成感っていうのを野球部時代に教わったから、今の自分があると思うんです。