ソニー創業者・井深大氏も絶賛した『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』が大人気の「脳科学の権威」久保田競氏と「脳科学おばあちゃん」久保田カヨ子氏。これまで、長らく、育脳教育の最重要指針に「早期からの算数力アップ」を掲げてきた。
そして、84歳になったばかりの注目書籍『小学校前にみるみる算数力がつく15の習慣――お風呂で唱えるだけで算数力がアップ!「お経式暗算法」ミラクルシート付き』が発売たちまち大反響!アマゾン第1位(「教育・学参・受験」&「子育て」ジャンル)となった。
オビには「2歳でも小1の算数がとける!」という衝撃的なコピーがあり、最新脳科学に基づく「お経式暗算法」を取り入れた、世界初!?のメソッドで、お湯につけるとピタッとつく「お風呂に貼れるミラクルシート付き」だという。
今回は、江戸の知られざる「算術のミリオンセラー」を著者が初めて解析する!
知らないと恥⁉
江戸時代の数学者たち
(Kayoko Kubota)脳科学の権威である京都大学名誉教授・久保田競氏の妻で2人の息子の母。この20年で3000人以上の赤ちゃんの脳を活性化させてきた。テレビなどで「脳科学おばあちゃん」として有名。累計38万部突破のシリーズ『0歳からみるみる賢くなる55の心得』『1歳からみるみる頭がよくなる51の方法』『カヨ子ばあちゃん73の言葉』『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』『カヨ子ばあちゃんのうちの子さえ賢ければいいんです。』『赤ちゃん教育──頭のいい子は歩くまでに決まる』『カヨ子ばあちゃんの子育て日めくり』(以上、ダイヤモンド社)などベスト&ロングセラー多数。ズバッとした物言いのなかに、温かく頼りがいのあるアドバイスが好評。
【脳研工房HP】www.umanma.co.jp/
江戸時代に「数」に強かった知られざる日本人がいた。
どんな人物だったのでしょうか?
その日本人とは、吉田光由(よしだ・みつよし)で、吉田は日本初の算術書を書いています。
これは今をさかのぼること389年前、江戸時代の初期、1627(寛永4)年のこと。
驚きではないでしょうか?
その書名は『塵劫記(じんこうき)』。
現代語訳は、『塵劫記』(1977年、岩波文庫)や、佐藤健一著『江戸のミリオンセラー『塵劫記』の魅力』(研成社、2000年)などがあります。
それだけ面白い存在だったということでしょう。
本文は当用漢字で書かれたものではないので、現代の多くの人は読めませんし、意味もわかリません。おそらく本かどうかもわからないでしょう。
タイトル名「じんこうき」と正しく読める人は、現代でもどれほどいるでしょうか。
「塵」は音読みで「ジン」。訓読みで「チリ」「ゴミ」を指し、小さいものを意味します。
「劫」は「コゥ」または「ゴゥ」と読まれていますが、仏教の言葉。サンスクリット語の「kalpa」の音写で「劫波」、つまり、「きわめて長い時間」という意味です。
「記」は書いたもののことで、日本初の歴史書『古事記』などに使われていますね。
『塵劫記』のタイトルは
どうやって生まれた?
『塵劫記』という書名の由来は、著者に頼まれた天竜寺の長老が、「塵劫来事糸豪不隔」の句に基づいてつけられたと、書籍冒頭の「漢文の序」に記されています。
残念ながら、この句の出典はわかっていません。
法華経に釈迦が悟りを開いたことを永遠に讃えるための句として「五百塵点劫」があり、「この世の土を砕いて粉にして、それを持って、千の国を通るのだが、一国に一粒ずつ、落としていってもなくならない大きな数」を意味しています。
つまり、著者の吉田は、『塵劫記』に書かれていることが、永遠に残る本当の話であることを強調するために、『塵劫記』を書名にしたのです。