ANA客室乗務員12年。500万人のお客様から学んだ「気がきく人」の1秒の習慣。その業界でダントツの成果を上げている人に共通していたのは、ほんの「1秒」という時間の中で判断を下し、非常に「気がきく習慣」をいつも実行しているということです!

「学歴」や「語学力」以上に、
選ばれるために大切なこと

 Tさんは、現在、69歳。古希(こき[70歳])を目前にしながら衰えとは無縁で、やる気と、元気と、バイタリティーにあふれています。

「what's new?(何か新しいことはないか)」が口グセです。

 Tさんはかつて、メーカー(K社)に勤務していました。

 今から40年以上前、K社がアメリカ進出を決めたとき、会社を代表して現地に赴任したのがTさんです。

 当時、Tさんは「どうして自分にそのような大役が回ってきたのか」、その理由に心当たりがなかったそうです。
 英語は話せないし、優秀な人材はほかにもいる。それなのに、なぜ、自分なのか。

 上司に理由を尋ねてみると、たったひと言だけ、返事が返ってきたそうです。

「元気があるから」

 現在では、多くの日本企業が海外進出をしていますが、40年前は、アメリカに法人を置く日系企業は少なかったはずです。

先が見えない環境の中で事業を立ち上げるには、語学力や学歴以上に、「元気があること」が必要だった。

 だから「元気がいいTさんが抜擢された」のです。

 ANA時代の先輩、総合職のYさんも、「元気の良さ」でチャンスをつかんだ人です。

 当時、採用倍率100倍以上といわれたANAに、どうして自分は就職できたのか。Yさんは、入社後、採用担当者にその理由を聞いてみたことがあるそうです。答えは、

「Yさんは、元気そうに見えたから」

 TさんもYさんも、選ばれた理由は、「元気(そう)に見えた」からです。
元気がある人は、上昇志向、希望、やる気、満足、前向きといった明るい期待を与えることができます。

「元気」はそれだけで武器になり、「元気」はそれだけで選ばれる理由になるのですね。