女性が賢くなり、
実践に長けるのが子育ての期間

どうして、<br />3歳までが勝負なの?久保田 競
(Kisou Kubota)
京都大学名誉教授、医学博士。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は、日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。1932年、大阪生まれ。著書に、『1歳からみるみる頭がよくなる51の方法』『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』『あなたの脳が9割変わる! 超「朝活」法』(以上、ダイヤモンド社)などベスト&ロングセラー多数。

 お母さん!

 あなたがいつまでも女性でいたい、女性を捨てたくないなら、子どもを育てるすばらしさをぜひ謳歌してください。

 肉体としての女性の輝きは、子どもを宿せる期間にピークを迎えます。

女性が賢くなり、実践に長けるのは子育ての期間なのです。

 それには、無償の喜びを与えてくれる「母性愛」が大事です。

 私には、5人の孫がいます。
 長男・次男のお嫁さんは、私たちの育脳教育の方針に賛成してくれたので、いろいろな試みに挑戦してくれました。

 中でも、孫娘をとり上げてくださった産婦人科医は「それでは、これを食べてごらん」と、胎盤をほんのちょっぴり切りとって、口の中に入れてくれたそうです。

「味もにおいも、どう表現していいかわからないけど、決して不愉快なものでなかった、むしろ何の抵抗もなかった」
 と次男の嫁は言っていました。

 彼女にとっては3度目のお産です。

 慣れを吹き飛ばす強烈な刺激は、新たな生命の誕生をしっかりと受け止め、どのように娘を育てようかと考えさせたに違いありません。

 ひと回りも大きくなった彼女の自信に満ちた瞳は、神々しくさえ感じられました。

 お医者さんの時を得た対応に深く感謝するとともに、孫の幸せと息子の未来に明るいものを見ることができ、安心しました。

 しかし、この母性愛の定義づけは難しいのです。

 そこで私は、子ども側から求められるものを主軸として、私の極めて主観的な、こうあってほしいという望みを交えて本書で紹介しました。

 従来の説とは違うものもありますから、異論もあるでしょう。

 でも、私は、この20年で3000人以上の赤ちゃんの脳を活性化させてきました

 動物としての本能的な生き方をどのように広げ、時には抑えながら、いかに人間らしく成長させるか、その手助けを生涯し続けたいと思っています。

 では、次回から、いよいよ算数力の土台となる6つの「行動パターン学習法」を紹介していきましょう。