わが子にピッタリ!塾・予備校&家庭教師・オンライン教材選び#2Photo:PIXTA

中学受験において、各塾に張り出された御三家や新御三家の合格者数に目を奪われがち。だが、その塾が子どもの今の学力や志望校に合っているかどうかは別問題だ。初めから生徒をふるいにかける入塾テストの有無や、「難関校よりも中堅校に強い」「特定の中学校に強い」など、各塾それぞれに強みがあるからだ。そこで特集『わが子にピッタリ!塾・予備校&家庭教師・オンライン教材選び』(全22回)の#2では、首都圏主要塾の合格実績を大分析。実力を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

9月は中学受験における
塾選びの絶好のタイミング

「中学受験塾の新年度の生徒募集開始は11月に集中する。中学受験塾のカレンダーは2月から。その2月から通いたい生徒は、11月の入室(入塾)テストを受験し、冬期講習をお試しで受けて2月から入るパターンが多い。このスケジュールから逆算すると、9月は塾選びを考え始めるには絶好のタイミングと言える」

 そう話すのは、SAPIX(サピックス)小学部の広野雅明教育情報センター本部長だ。とはいえ、一口に中学受験塾と言っても選択肢は数知れない。一体どうやって子どもにピッタリな塾を絞り込めばよいのだろうか。

「塾ソムリエ」として知られる「中学受験専門プロ家庭教師集団 名門指導会」の西村則康代表は、「現在、子どもが小学3~4年生で中学受験を考えるならば、合格のノウハウがある、大手と呼ばれる有名塾が第一選択肢になる」と言う。

 その目安となるのが、各塾の塾生数。下表は各塾が公表している塾生数のリストだ。

 公表していない塾の塾生数も推測可能だ。塾生数を公表している塾の生徒1人当たりの合格校数は2.5校前後に集中する。後述する主要塾が公表する合格者総数をその数字で割ると、おおよその規模がつかめるわけだ。

 ただし、四谷大塚、日能研、サピックス、早稲田アカデミーの四大中学受験塾でさえも、目指す中学の難易度や学年によって選ぶべき塾は変わってくる。

「難関校を目指すならば、やはりサピックスがトップ。続いて、早稲アカ、四谷大塚、日能研のいずれか。一方、中堅校を目指すとなると、早稲アカ、日能研、四谷大塚のいずれかで、次にサピックスが選択肢になる。また、現在小学5年生で、例えばサピックスに通っていて、特に算数で付いていけなくなり転塾を考えるならば日能研が良い。カリキュラムが少しゆっくりしているので、つまずいた単元をもう一度指導してくれる」(西村氏)

 つまりは塾によって、得意不得意とする学力層が大きく異なるというわけだ。

 そこで中学受験カウンセラー、石田達人氏の協力の下、首都圏の中高一貫校に合格者総数150人以上を出している主要28塾の全合格校(各塾の公表ベース)を偏差値で7段階に分け、どの塾がどのレベルの学校にどれだけの合格者を出しているか算出したのが、次ページ表だ。

 それぞれホームページや広告で難関校の合格実績を真っ先にうたってはいても、実際の合格校のボリュームゾーンは塾によって大きく違うことが分かる。以降、この図を含め、「主要塾の『合格力』ランキング」、「有名中高一貫校における主要塾の合格者数」など五つの図表を紹介するが、そこにわが子の学力や志望校を当てはめて考えていけば、子どもと塾の致命的なミスマッチは起きにくくなるはずだ。