役職定年の悲哀#8Photo by Yoko Suzuki

電機大手2社のソニーグループとパナソニックホールディングス。ソニーでは元事業部長ですら平社員に降格となるほど容赦ない役職定年制度が残る。一方のパナソニックは廃止に動いているが、当初の思惑とは異なる事態が起きている……?特集『中高年の給料激減!主要企業のデータ初公開!大企業の5割導入 役職定年の悲哀』(全17回)の#8では、ソニー、パナソニックに加え富士フイルムHD、カシオ計算機、オムロンのシニア向け待遇など、電機業界の役職定年事情に迫る。(ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)

過去のリーダーシップの実績は認められず
実務能力のみで評価されるソニー

「これまで管理職として、チームを束ねてさまざまな業績に貢献してきたつもりだが、そういったリーダーシップは役職定年後は一切求められない。それよりも、ずっと現場にいた社員と同様の地道な業務スキルが求められる。なかなかつらい」。ソニーでエレクトロニクス系の事業部門にいる北條義男さん(仮名、57歳男性)はそうこぼす。

 ソニーは2013年から役職定年制度を導入した。当時の平井一夫社長がエレクトロニクスの事業構造改革を発表したタイミングだった。

 それ以前のソニーは管理職比率が全社員の約4割に達し、管理職の平均年齢と給与が高くなっていたのだ。当時ソニーはエレクトロニクス事業の不振で厳しい経営環境にあり、管理職ポストが高年齢社員に占められて若手社員の登用が阻まれることが問題になっていた。

 それが今や、役職定年制度の導入により、社員全体に占める管理職の比率は約2割までに減った。かなり劇的な変化である。

 次ページから詳しく紹介するが、ソニーの役職定年制度は、事業部長以下の全ての管理職が対象となり、平社員に格下げとなる過酷な制度だ。ただし、実はグループの一部ではこの制度はすでに変わりつつある。

 そしてソニーのかつてのライバルだったパナソニックは、役職定年制度の廃止に動いた。だが、思わぬ誤算も出ているという。さらに、富士フイルム、カシオ計算機、オムロンなど、他の電機業界の他の企業ではどのような状況となっているのか。

 シニアの給料があまり減らない会社もあり、会社間の格差が目立つ結果となった。次ページから実額と共に詳しく見ていこう。

図版サンプル1
図版サンプル2