東大の入試をにらんだ開成の問題
金 最後は開成の注目の計算問題を。大問1(4)です。9998分の1を小数で表すとき、小数第48位、第56位、第96位の数を求めろという問題です。瞬間的に循環小数かなと思いますよね。規則性で終わればいいのですが、どうもそうはいかないようです。計算しながらアプローチするのか、別の考え方があるのか。石田先生、お願いします。
石田 こういう問題を解くとき、まず地道に計算という作業をしてみるのはすごく大事なことです。1÷9998=0.0001と商が立って2が余る。さらに割ると0.00010002と商が立って4が余る。ここで規則性がありそうなことに気づきますね。その次は8余りますね。
小数点以下、第4位(4×1)が1、第8位(4×2)が2、第12位(4×3)が4(2×2)、第16位(4×4)は8(2×2×2)となります。2を10回かけるといくつになるか。これは大事な数字なので覚えておいてほしいのですが1024です。
48位を知るには、2を11回かければいいので、1024×2=2048で、下1けたは「8」になります。ずっと計算していくと、計算用紙では足りなくなります。ではどのように考えていくか。こうした問題は東大や京大の入試問題でもよく出されます。計算作業をした上で、規則を見つけ、それを利用して新しい解き方を考えることです。これは学問の学び方でもあります。
この問題は高校生になると学ぶユークリッドの互除法がネタ元になっています。答えは、小数第48位が「8」、第56位が「3」、第96位が「6」となります。答えを導き出すには地道に計算を重ねる必要があります。実際、解答用紙を見ると、計算式を書き込むスペースが広く取ってあります。採点する先生方は解答だけでなく、この部分も見ています。本当の力は最後まできちんと考え抜くことです。
・4ページ目:89×2=198個→89×2=178個
・同:11009×2=22018→11009÷2=5504.5
(2021年2月24日11:40 ダイヤモンド社教育情報)