レベルの高い数の性質を問う桜蔭
金 次は、難しくて嫌になっちゃう桜蔭の問題です(笑)。特徴としては、大問1でえらい面倒くさい計算問題が小問としていくつか出ます。そのあと3、4の大問が続きます。22年は、大問2で時計の針、大問3で速度、大問4で図形の問題が出ました。
桜蔭は、数の性質でレベルの高い問題を出してきます。大問1で出してくることがあり、手が付けられずに参ってしまう受験生がいます。そのときは、自分が解けない問題は他の受験生も解けないと思って、解けるものから解いていくことが鉄則となります。
22年の大問1(1)では、分数の計算式に1つだけ“2.375”という小数が混じっていましたが、この学校はなぜか0.125の倍数がよく出てきます。
大問1(3)は、皆さんたぶん、やみくもに数字を入れてしまうと思いますが、そうすると大変。ぐちゃぐちゃになります。問題文をよく読んでくださいね。では、竹内先生、よろしくお願いします。
竹内 重要なのはまず、問題のレベル感です。僕の感覚では、図8の〈1〉は余裕で解けないとまずいです。〈2〉はちょっと焦るかも、くらいです。でも、ここでしっかり得点してください。
まず〈1〉の問題から。1つ目の数は2ですね。2つ目の整数を[1]としますと、3つ目の数は2+[1]となります。4つ目の数は2つ目と3つ目を足したものですから、[1]+2+[1]となりますね。
4つ目の数は24ということですから、24=[1]+2+[1]で、24-2=[1]×2となり、[1]は11ですから、エの答えは11となります。
次に〈2〉です。8つ目の数は160と分かっていても、1つ目と2つ目の数が分かっていません。そこで、1つ目を〔1〕、2つ目を[1]とし、〔1〕や[1]の2倍の数を〔2〕や[2]と表します。
そうしますと、3つ目は〔1〕+[1]、4つ目は〔1〕+[2]、5つ目は〔2〕+[3]、6つ目は〔3〕+[5]、7つ目は〔5〕+[8]、8つ目は〔8〕+[13]となりますね。
8つ目は160ですから、〔8〕+[13]=160となります。ここで注目したいのが、〔8〕も160も8の倍数ということですから、[13]も8の倍数となることです。13を掛けても8の倍数になる[1]は8です。160-13×8=56=〔8〕ですから、〔1〕は7です。
したがって、オの答えは7、カの答えは8となります。難関校でよく出てくる不定方程式、芋づる算ですね。
金 素晴らしいですね。次回は男子御三家と駒場東邦の問題を解いてみましょう。