あなたは「調子が悪い」と
正直に言う勇気はありますか?

 また、会社で実施されるメンタルヘルス対策で一般的なのはストレスチェックです。

 ほとんどの企業でストレスチェックが行われていますが、みなさんは、ご自身のストレスチェックの結果を分析できていますか?

 前回と比べてどのように変化したのか、その原因は何か、自分の結果が集団の中でどの辺りに属しているのか、把握していますか?

書影『社員がメンタル不調になる前に 会社の責任?それとも……?』(日本能率協会マネジメントセンター)『社員がメンタル不調になる前に 会社の責任?それとも……?』(日本能率協会マネジメントセンター)
藤田康男 著

 ストレスチェックによって、高ストレス者がスクリーニングされ、高ストレス者に対しては産業医面談が推奨されます。仮に、自分が高ストレス者でなかった場合、それでメンタルヘルス対策になっているでしょうか。逆に、高ストレス者だった場合、自ら希望して産業医面談を受けますか?

 その面談では何を話しますか?

「調子が悪いです」と言えますか?

 現行のストレスチェックの仕組みは非常に有意義ですし、会社として最低限実施しなければいけない法的義務があります。ですが、ストレスチェックの実施だけで、社員の健康を担保できているわけではないのです。社会が変化する中で、その社会変化に対応した取り組みを行う必要があると私は考えています。