相沢光一
第250回
今年のプロ野球、とくにセ・リーグが盛り上がるかどうかの鍵を握るチームは阪神だろう。今年も巨人の強さは健在で、開幕から1ヵ月ちょっとで早くも、セ・リーグの優勝は巨人で決まりというムードが漂いかけていた。その巨人の独走にストップをかけたのが阪神である。

第250回
スポーツ界では今、スーパー高校生が熱い視線を集めている。まず陸上短距離の桐生祥秀(京都・洛南高3年)。世間を驚かせたのは4月29日に行われた織田記念陸上男子100mだ。10秒01のタイムをたたき出し優勝したが、これはジュニア世界タイ記録だ。

第249回
J1リーグ戦の連続無敗記録を作った大宮の快進撃が続いている。大宮は13位だった昨季から、とくに大きな戦力補強をしていない。開幕前はむしろ戦力ダウンともいわれていた。にもかかわらずこの快進撃を見せているのは、ズデンコ・ベルデニック監督の手腕に負う部分が大きいだろう。

第248回
今年のマスターズはオーストラリア人のA・スコットが初優勝したが、スポーツ紙が勝負よりも詳しく報じたのは、スコットが日本のアパレルブランド「ユニクロ」とスポンサー契約を結び、そのウェアを着てプレーをしたことだ。

第247回
横浜DeNAの100万円の観戦チケットが話題を呼んでいる。観戦はネット裏の個室ラウンジで、リムジンでの送迎、ヘリコプターでの球場上空遊覧飛行、試合前のグラウンドレベルでの練習見学、中華街でのディナー、そしてみなとみらいエリアの高級ホテルのスイートルーム宿泊がつく。

第246回
八百長認定による解雇を不服とし、東京地裁に地位確認訴訟を起こしていた元幕内力士・蒼国来(29)が勝訴、7月に始まる名古屋場所での復帰が決定した。当時、相撲協会は徹底調査をするとしていたが、蒼国来の一件を見ると、本当に徹底的に調べたのか疑問が生じる。

第245回
2013年のプロ野球が開幕した。どのチームのファンも新鮮な気持ちで試合を見られる時期だが、ひいきチームの枠を超えて注目が集まっているのが、ふたりの高卒ルーキー、大谷翔平(北海道日本ハム)と藤浪晋太郎(阪神)である。

第244回
この週末は花見にも行かず(花粉症なので)、昼間は選抜高校野球、夕方からは大相撲というスポーツ観戦で時間を過ごしたが、改めてスポーツで重要な意味を持つのは「地域性」だということを感じた。

第243回
WBC3連覇を狙う日本の前に立ちはだかったのは中米プエルトリコだった。敗因については多くのメディアが、これから嫌というほど語るだろうが、球の世界トップレベルの国々が真剣勝負する場で、連覇の後もしっかりベスト4に残っていること自体凄いことだと評価すべきだ。

第242回
今回のWBCで快進撃を見せたのがオランダだ。1組の1次ラウンドで韓国を0-5で破り、2次ラウンドの初戦は強豪キューバにも6-2で勝った。一方、2組の1次ラウンドD組ではイタリアがメジャーリーガーが顔を揃えるメキシコとカナダに連勝する快進撃を見せている。

第241回
2020年オリンピック開催地決定を左右する国際オリンピック委員会(IOC)評価委員による現地調査が始まった。まさに今、クレイグ・リーディー委員長以下14人の委員が東京に滞在し、五輪開催都市に相応しいかどうか視察をしている。

第240回
野球世界一決定戦・WBCの開幕が近づいてきた。順調に勝ち進んだ場合、1次ラウンドの3試合、2次ラウンドで3試合、決勝トーナメント2試合の計8試合を勝ち抜くことができれば、日本は3連覇を達成できる。

第239回
このところ日本のスポーツ界は競技以外の問題で揺れている。先週巻き起こったのが、レスリングの五輪競技からの除外問題である。12日に開かれた国際オリンピック委員会(IOC)の理事会で2020年大会に実施する26競技中、25競技を選定。そこからレスリングが外された。

第238回
プロ野球キャンプ期の注目度ナンバー1は、相変わらず北海道日本ハムの目玉ルーキー・大谷翔平だ。大谷が注目されるのは、メジャー志望から一転して日本ハムに入団したいきさつもさることながら、投手と野手の両方での出場を目指す「二刀流」に挑戦していることが大きい。

第237回
長い間、日本のスポーツ界の体質を表わす言葉として使われてきた「体育会系」の価値観が見直される時が、ついに来たのかもしれない。大阪・桜宮高校や柔道日本女子代表の体罰・パワハラ問題を機に、これらの根っこにある「体育会系」の体質を疑問視する声が高まってきているからだ。

第236回
年頭、WBC日本代表の山本浩二監督は代表選手に対して、服装、髪の毛、態度に関する規定を設けたと話した。茶髪、金髪、長髪、ひげはダメ、穴開きジーンズやサンダルをはくのもいけないという内容のようだ。要は日本代表として恥ずかしくない品格を持てということだ。

第235回
昭和の大横綱、大鵬が亡くなった。大鵬といえば必ず出てくるフレーズが「巨人、大鵬、卵焼き」。昭和30年代から40年代にかけて大鵬は、子どもが好きなものの代名詞になるほどの国民的ヒーローだった。その輝きがより増したのは、柏戸というライバルがいたからである。

第234回
年末年始は高校スポーツの季節でもある。駅伝、バスケットボールに始まり、ラグビー、サッカー、バレーボールと続くが、優勝校を見ると総じて強豪校が順当に勝った印象がある。そんな中、意外な高校が躍進したといえるのがサッカーだろう。

第233回
大晦日のプロボクシング、元日の全日本実業団対抗駅伝、そして箱根駅伝など年末年始のスポーツはどれも見ごたえがあった。これらに比べると注目度は低かったが、箱根駅伝の往路と同じ2日、すばらしい試合があった。ラグビー大学選手権準決勝、筑波大―東海大戦である。

第232回
スポーツで今、多くの人が注目するのは日本の選手やチームが世界に挑む試合だが、唯一の例外が箱根駅伝だ。位置づけとしては大学の駅伝日本一決定戦のひとつにすぎないにもかかわらず、中継は高視聴率をとる。レースに介在するさまざまなドラマが見る者を惹きつけずにおかないのだ。
