井手ゆきえ
第52回
昨年1月の欧州、10月の米国に続き今年3月、ようやく日本でも「トラスツズマブ(商品名ハーセプチン)」が「HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発胃がん」の治療薬として承認された。トラスツズマブはもともと乳がんの治療薬として開発された分子標的薬だ。

第51回
昨年末からアルツハイマー型認知症(略称AD)治療薬の3剤が相次いで承認を了承された。この領域では約10年ぶりのこと。夏頃にはようやく、世界標準の4製剤が使用できるようになるわけだ。

第50回
もともと戦地で負傷した兵士を遠隔操作で治療する技術として開発されたロボット手術だが、医療用機器として認可された後もそれへの期待は高かった。 2001年には、実際に光ファイバーの海底ケーブルを通し米国‐フランス間で大陸間横断の胆嚢手術が行われている。

第49回
国内で初めて手術ロボット「ダ・ヴィンチ」による心臓手術を行った渡邊剛・金沢大学医学部心肺総合外科教授(東京医科大学心臓外科教授を兼務)はある日、入院患者専用ラウンジの光景に目を見張った。

第48回
昨年、足の親指の激痛に襲われたCさん、42歳。整形外科で痛風と診断、消炎鎮痛剤が処方された。医師から運動して痩せるよう勧められた──。

第47回
強い日差しやクルマのライトに目がくらむことが多くなったVさん、56歳。老眼も進み、仕事に支障が出始めたため、眼科を受診すると白内障と診断された──。

第46回
消化器内科で萎縮性胃炎と診断されたTさん、47歳。ヘリコバクター・ピロリ菌の感染もわかったので自費で除菌療法を受けることにした。じつは胃がん家系なのだ──。

第45回
商談中に突然脈が速くなったSさん、54歳。一過性だったが、以来ちょっとした動悸も気に病んでしまう──。

第44回
ある日、息苦しさと動悸に襲われ「死んでしまう」と恐慌を来したRさん、47歳。心臓外科での検査は異常なし。しかしその後も発作は続き、不安のあまり外出できなくなった──。

第43回
小学5年生の娘の髪が突然抜け、円形脱毛症と診断されたQさん、45歳。とっさに「治るんでしょうか」という言葉が口をついた──。

第42回
昨年末、歌手の桑田佳祐さんが食道がんから見事に復帰した姿を目の当たりにしたPさん、56歳。同じ病気で闘病中だけに、自らを重ねずにはいられなかった──。

第41回
胆石手術の事前準備で血液検査を受けたOさん、56歳。術前に別室に呼ばれ、主治医からHIV(ヒト免疫不全ウイルス)陽性を告げられた。息が詰まり頭の中が真っ白になった──。

第40回
骨折で入院した父親を見舞ったNさん、48歳。担当医から「お父さんは骨粗しょう症の治療が必要ですね」と言われ、驚いてしまった。女性の病気じゃないのか?

第39回
頑固なフケ症に悩んでいたMさん、45歳。いろいろ工夫をしてみたが、いっこうに治まらない。思春期の娘に強く言われて受診した皮膚科で「乾癬(かんせん)」と診断された──。

第38回
60歳を目前に肺がんが見つかったLさん。ステージ(病期)2でリンパ節にも転移があり、治る確率は五分五分、禁煙10年目のことだった──。

第37回
男性85センチメートル、女性90センチメートル以上というへそ周りの寸法だけが一人歩きし「肥満=メタボリックシンドローム」と思われがちだが、腹囲だけにこだわると普通~小太り体型のメタボグループを見逃してしまう危険性が指摘されるようになった。

第36回
中高年の膝関節の痛みといえば変形性膝関節症が代表的だが最近はスポーツ性の外傷が増えてきた。アクティブなことはよいとして、やはり加齢に伴う変化には十分注意してほしい。

第35回
「右の精巣に腫瘍(がん)が認められます」。そう医師に告げられたとき、Iさんは耳を疑った。まだ32歳、がんになるような年齢ではない。しかもタマにがんだって?

第34回
最近は不定愁訴をひとくくりにできる「男性更年期」という名称が市民権を得てきた。しかし男性の場合ホルモンの低下だけに原因を求めるのは難しい。そこで注目されているのが「首コリ」病。正式には頚性神経筋症候群と呼ばれるものだ。

第33回
ドライアイは涙の量や質の異常により、目の角膜表面が障害される病気。最も多い「蒸散型」では、まばたきの減少や涙液成分の異常で角膜表面が乾燥し、「肌荒れ」状態になる。
