井手ゆきえ

医学ライター
医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。
第72回
酸化、糖化、鉄化に対抗せよ肝硬変/肝がん予防の最新栄養学ファイトケミカル(Phytochemical)
井手ゆきえ,-週刊ダイヤモンド編集部-
肝がんの発症原因はウイルス性肝炎とアルコール性肝炎が代表だが、先進国では非アルコール性脂肪肝炎(NASH)からの発症例が急増している。その予防に重要な「酸化」を防ぐ食事療法の強い味方となってくれるのが、ファイトケミカルだ。
酸化、糖化、鉄化に対抗せよ肝硬変/肝がん予防の最新栄養学ファイトケミカル(Phytochemical)
第71回
胸部X線検査より、喀痰検査より、診断感度が高い?肺がんを嗅ぎ分ける「がん探知犬」登場がん特有の匂い物質と呼気検査
井手ゆきえ,-週刊ダイヤモンド編集部-
この8月、欧州呼吸器学会誌に、吐いた息から肺がんを嗅ぎ分ける「がん探知犬」の研究結果が報告された。訓練された犬は、肺がん患者の呼気サンプル100例中71例を「陽性」とし、健康な人の呼気、COPD患者の呼気400例に対しては93%に「陰性」の判断を下したという。
胸部X線検査より、喀痰検査より、診断感度が高い?肺がんを嗅ぎ分ける「がん探知犬」登場がん特有の匂い物質と呼気検査
第70回
中高年の“トイレ問題”に強~い味方あの「切迫感」を抑える新薬登場過活動膀胱治療薬(ミラベグロン)
井手ゆきえ,-週刊ダイヤモンド編集部-
中高年のトイレ問題──いわゆる排尿障害の症状は失禁、頻尿、残尿感が代表だが、発作的に強い尿意に襲われ、通常は頻尿が出現する状態を「過活動膀胱(OAB)」という。
中高年の“トイレ問題”に強~い味方あの「切迫感」を抑える新薬登場過活動膀胱治療薬(ミラベグロン)
第69回
糖尿病患者が自己注射から解放される日吸入式インスリン製剤は数年先か!?AFREZZA(ヒト遺伝子組み換え型インスリン)
井手ゆきえ,-週刊ダイヤモンド編集部-
糖尿病患者の血糖コントロールに使われるインスリン製剤。1型糖尿病では毎日、2型でも血糖値によっては自己注射が必要になる。注射のわずらわしさから吸入式製剤の実用化が待たれており、現在米国Mannkind社が臨床試験を進めている。
糖尿病患者が自己注射から解放される日吸入式インスリン製剤は数年先か!?AFREZZA(ヒト遺伝子組み換え型インスリン)
第68回
効果とコストと安全性と加齢黄斑変性の最新事情血管新生阻害薬
井手ゆきえ,-週刊ダイヤモンド編集部-
中途失明要因の一つ、加齢黄斑変性(AMD)がじわじわ増えている。網膜の中心部にある「黄斑」組織に異常が生じる病気で、AMDを発症すると視野の中央がゆがむ、モノが小さく暗く見えるなどの症状が出てくる。
効果とコストと安全性と加齢黄斑変性の最新事情血管新生阻害薬
第67回
虫メガネの原理で超音波を集中診断と治療の融合に期待HIFU(高密度焦点式超音波療法)
井手ゆきえ,-週刊ダイヤモンド編集部-
超音波を使ったHIFU(高密度焦点式超音波療法)は、がん細胞に焦点を合わせて超音波を集束し、がん細胞を加熱する治療法である。虫メガネで太陽光を集めるのと同様の原理でがん細胞を80度以上に熱し死滅させ、焦点より手前の細胞にはダメージがない。
虫メガネの原理で超音波を集中診断と治療の融合に期待HIFU(高密度焦点式超音波療法)
第66回
日本発の基礎研究が結実肺がん治療に奇跡は起こるかALK阻害剤─分子標的薬
井手ゆきえ,-週刊ダイヤモンド編集部-
いまや、がん治療の主役に躍り出た分子標的薬。力を発揮するには「標的」の絞り込みが鍵を握る。がん特有の遺伝子変異が生み出す分子であること、その働きを封じることでがん細胞に致命的なダメージを与え、正常細胞には影響が少ないことが条件だ。
日本発の基礎研究が結実肺がん治療に奇跡は起こるかALK阻害剤─分子標的薬
第65回
がん細胞だけに感染し、がん細胞だけを死滅させるウイルスはがん制圧のパートナーになり得るか?ウイルス療法
井手ゆきえ,-週刊ダイヤモンド編集部-
ウイルスの恐るべき細胞殺傷力をがん細胞だけに向けられないか。ごくシンプルな発想が生み出したのが、「がん治療用ウイルス」。近年開発された第3世代の治療用ウイルスは、細胞殺傷力だけでなく、免疫機能を惹起し、がん細胞を攻撃させる機能も備えている。
がん細胞だけに感染し、がん細胞だけを死滅させるウイルスはがん制圧のパートナーになり得るか?ウイルス療法
第64回
酸化ストレスで脳が疲弊慢性疲労に抗酸化物質イミダゾールジペプチド
井手ゆきえ,-週刊ダイヤモンド編集部-
ヒトはなぜ「疲れ」るのか。乳酸の蓄積によるもの、という説は大間違い。今では、乳酸はむしろ筋肉疲労を抑え、脳神経活動のエネルギー源となることがわかっている。つまりは「疲労回復物質」なのである。冤罪の乳酸に代わり、疲労の真犯人と見なされているのは「活性酸素」だ。
酸化ストレスで脳が疲弊慢性疲労に抗酸化物質イミダゾールジペプチド
第63回
がんワクチン承認から1年米国・前立腺がん治療事情がんワクチン―プロベンジ
井手ゆきえ,-週刊ダイヤモンド編集部-
昨年4月、世界初の治療用がんワクチン、シプリューセル‐T(製品名プロベンジ)が米食品医薬品局(FDA)に承認された。適応は「ホルモン療法抵抗性前立腺がん」で、前立腺がんの増殖にかかわる男性ホルモンを抑える治療が無効になった患者が対象だ。
がんワクチン承認から1年米国・前立腺がん治療事情がんワクチン―プロベンジ
第62回
問い合わせが殺到!うつ病「見える化」診断光トポグラフィー検査
井手ゆきえ,-週刊ダイヤモンド編集部-
うつ病をはじめとする気分障害は診断が難しく、精神科でも確定的な診断を下すまでには時間がかかる。しかも問診しか診断する術がないため、誤診の可能性もある。なんとか客観的にうつ病を診断する手段がないか、とたどり着いたのが「光トポグラフィー検査」だ。
問い合わせが殺到!うつ病「見える化」診断光トポグラフィー検査
第61回
ドナーが現れるまで橋渡し米国では臨床応用が進むハイブリッド型人工肝臓
井手ゆきえ,-週刊ダイヤモンド編集部-
末期肝不全の根本治療は臓器移植だが、医療技術以外の課題が山積しているため移植数の飛躍的な増加は望めない。となれば肝移植を待つあいだの延命を考えるのが現実的だ。そこで期待されるのが「ハイブリッド型人工肝臓」である。
ドナーが現れるまで橋渡し米国では臨床応用が進むハイブリッド型人工肝臓
第60回
解毒能力で薬の使い分けをテーラーメード医療の一歩に遺伝子多型診断
井手ゆきえ,-週刊ダイヤモンド編集部-
究極の個人情報である遺伝情報。それに基づくテーラーメード医療の実現に向けた動きが始まっている。その一つが遺伝子多型診断で、個々人で微妙に異なる遺伝子配列の違いを読み解き、医療に生かそうというものだ。
解毒能力で薬の使い分けをテーラーメード医療の一歩に遺伝子多型診断
第59回
電熱でがん細胞を焼き尽くす肝がんでは主力、肺がんへの応用に期待ラジオ波焼灼療法(RFA)
井手ゆきえ,-週刊ダイヤモンド編集部-
外科的治療の低侵襲(キズが小さく身体の負担が少ないこと)化は世の流れ。がん治療も例外ではない。肝がんに対する「ラジオ波焼灼療法(RFA)」はその代表だ。
電熱でがん細胞を焼き尽くす肝がんでは主力、肺がんへの応用に期待ラジオ波焼灼療法(RFA)
第58回
血液をほどよくサラリと脳卒中予防に新薬が登場抗凝固薬─ダビガトラン
井手ゆきえ,-週刊ダイヤモンド編集部-
今年1月に承認された抗凝固薬のダビガトラン(商品名プラザキサ)。「血液サラサラ」状態を保ち、血液の塊が引き起こす脳卒中を予防する。一般にはなじみが薄いのでピンとこないかもしれないが、この領域では半世紀ぶりの新薬。いろいろな意味で「待望の」という枕詞がつく薬なのだ。
血液をほどよくサラリと脳卒中予防に新薬が登場抗凝固薬─ダビガトラン
第57回
CAPS治療薬が年内にもバイオ創薬が救う小さな命遺伝子組み換え製剤─カナキヌマブ
井手ゆきえ,-週刊ダイヤモンド編集部-
今年1月、国内でわずか30人ほどしか確認されていない稀少難病、クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)の治療薬「カナキヌマブ」の承認申請が提出された。年内のスピード承認が望まれる。
CAPS治療薬が年内にもバイオ創薬が救う小さな命遺伝子組み換え製剤─カナキヌマブ
第56回
超急性期脳梗塞からの生還タイムリミットが8時間へ血栓リトリーバー
井手ゆきえ,-週刊ダイヤモンド編集部-
脳梗塞で血管内に詰まった「血の塊(血栓)」を物理的に回収する血管内治療用の機器が、昨年10月から保険診療で使えるようになった。この「血栓回収デバイス(商品名メルシー・リトリーバー)」は「発症8時間以内」までの患者が対象だ。
超急性期脳梗塞からの生還タイムリミットが8時間へ血栓リトリーバー
第55回
抗体医薬の効果を100倍化日本発の創薬テクノロジーポテリジェント技術
井手ゆきえ,-週刊ダイヤモンド編集部-
この数年、熾烈な開発競争が繰り広げられている抗体医薬。免疫反応を起こすタンパク質(抗体)を人為的に作製したもので、これを投与すると、病原体やがん細胞の表面にある標的(抗原)にくっつき“実弾”になる免疫細胞を呼び寄せて標的細胞を殺傷する仕組みだ。
抗体医薬の効果を100倍化日本発の創薬テクノロジーポテリジェント技術
第54回
自然孔を使えばキズはない!?革命的“超”低侵襲手術とはNOTES(経管腔的内視鏡手術)
井手ゆきえ,-週刊ダイヤモンド編集部-
外科手術で手術創(キズ)が回復するまでの期間ほどつらいものはないが、2004年、米国から「お腹の壁をいっさい切らない」という究極の低侵襲手術法「NOTES」が報告された。コレがなんと「口や膣、肛門など人間が自然に持っている孔を経由して、内視鏡をお腹の中に挿入する」方法なのだ。
自然孔を使えばキズはない!?革命的“超”低侵襲手術とはNOTES(経管腔的内視鏡手術)
第53回
認知症超早期を“見える化”発症10~20年前に兆候がアミロイドイメージング
井手ゆきえ,-週刊ダイヤモンド編集部-
アルツハイマー型認知症(以下、AD)患者の脳を死後解剖して観察すると「βアミロイド」というタンパク質がベッタリ蓄積していることが知られている。なんとAD特有の症状が目立つ10~20年前から蓄積が始まっているという。
認知症超早期を“見える化”発症10~20年前に兆候がアミロイドイメージング
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