2015.4.2
自衛隊海外派遣で想定される死傷者に我々は耐えられるか?
政府は自衛隊を随時海外派遣できる恒久法案を国会に提出する方針だ。海外での活動には「隊員の安全確保」と両立し難いものが少なくない。同様な活動をしてきた他国軍の例を見れば、死傷者が出る公算は高い。
軍事ジャーナリスト
1941年、京都市生まれ。64年早稲田大学政経学部卒、朝日新聞社入社。68年から防衛庁担当、米ジョージタウン大戦略国際問題研究所主任研究員、同大学講師、編集委員(防衛担当)、ストックホルム国際平和問題研究所客員研究員、AERA副編集長、編集委員、筑波大学客員教授などを歴任。動画サイト「デモクラTV」レギュラーコメンテーター。『Superpowers at Sea』(オクスフォード大・出版局)、『日本を囲む軍事力の構図』(中経出版)、『北朝鮮・中国はどれだけ恐いか』など著書多数。
2015.4.2
政府は自衛隊を随時海外派遣できる恒久法案を国会に提出する方針だ。海外での活動には「隊員の安全確保」と両立し難いものが少なくない。同様な活動をしてきた他国軍の例を見れば、死傷者が出る公算は高い。
2015.3.5
防衛省設置法改正案では、自衛隊の部隊運用が制服組主体の「統合幕僚監部」に一元化される。「文民統制は守られる」とはいうが、首相も防衛大臣も制服幹部の言いなりになる可能性は高い。
2015.2.19
4国首脳会談を受けて、ウクライナ政府と親露派は停戦に入った。だがその後も戦闘は続いている。東ウクライナの紛争はウクライナとロシアだけの問題ではない。もし米国が本格的にウクライナ支援に乗り出せば世界は冷戦に逆戻りする。
2015.2.5
「イスラム国」日本人人質殺害事件を受けて、軍事問題をよく知らないタカ派の間では「自衛隊が海外で人質救出をできるようにすべきだ」との論が高まっている。だが現実的には人質救出作戦は極めて困難、危険な作戦なのだ。
2015.1.22
1月初旬にパリでテロが起こる一方、イスラム国が邦人2名を拘束し身代金を求める事態も発生した。現在のテロのは、自国内で成長した人々による「ホーム・グロウン」テロリストによるものだけに、防ぐのは一層難しい。テロの背景と対応策を探る。
2015.1.8
今年は終戦から70年に当たる。この間、日本は戦闘で1弾も発射せず、1人の戦死者も出していない。大きな曲がり角に立つ日本にとって、平和主義がもたらした「奇跡」とも言える繁栄の歩みを振り返ることは、これからの進路を考える上で、ぜひとも必要…
2014.12.25
オバマ米大統領がキューバとの国交正常化交渉に入ることを発表したことは、世界を驚かせた。キューバに対するこれまでの「封じ込め政策」を失敗と断じ、「抱き込み」に転じようとするオバマ大統領は、キューバ問題をついに収束させる功績を残すこと…
2014.12.11
14日の総選挙では、自公合わせて3分の2を超す議席を確保する勢いだと報道されている。もし、その通りの結果になれば、次に控える2016年7月の参議院選挙は、憲法改正の発議に必要な3分の2を取れるかどうかの「天王山」となる。
2014.11.27
普天間の辺野古移設反対の知事が生まれても、政府は「粛々と」計画を進めるとしている。その理由は「抑止力として必要」というものだ。だが、沖縄に配備されている米軍海兵隊のあ役割をつぶさに検証すれば、抑止力論が偽りであることがわかる。
2014.11.13
北京で行われた日中首脳会談の意味は大きい。それに先立って発表された合意文書では、巧みな外交表現で両国の妥協点を見出している。今回の首脳会談が中国との敵対関係にずるずると入り込むことを防ぐ第一歩となるなら、安全保障上の成果は極めて大…
2014.10.30
米国は「イスラム国」の問題に対して、当初、不介入の方針だったが、その後、空爆に踏み切り、いまや地上部隊の派遣すら議論されている。かくのごとく戦いは始まれば大体はエスカレートするものだ、という平凡な事実を認識しておく必要がある。
2014.10.16
日米両政府は10月8日「日米防衛協力のための指針」改定の中間報告をまとめた。報告では「同盟のグローバルな性質」を強調。もしこの中間報告通りに「指針」を改定するなら、その前に安保条約の改定が必要なはずだ。
2014.10.2
米軍は9月23日、「イスラム国」のシリア領以内の拠点に対する航空攻撃を開始した。おりしも日本政府は7月1日、集団的自衛権による自衛隊の国外での武力行使を認める閣議決定を行った。「イスラム国」との戦いに自衛隊を派遣することは可能なのか。
2014.9.18
突如、ウクライナの停戦合意が成立しする一方、米国は中東で勢力を伸ばす「イスラム国家」のシリア領内の拠点を攻撃することを決定した。「敵の敵は味方」は戦略・国際政治の不易の原則とはいえ、この2大事件はその複雑怪奇さを我々の眼前に示した…
2014.9.4
国連が日本政府に対しヘイトスピーチ(憎悪表現)に、法的規制を勧告する最終見解を発表した。だが、法律はその立法主旨と違う目的に活用されることもある。「言論の自由の確保」を両立させるために、どのような条文の法案を作るのかを考えてみたい…
2014.8.28
ガザ地区を巡る紛争で、イスラエルとハマスと間で停戦の合意が成立した。今後、停戦の永続化の鍵を握るのは米国だ。もし米国が「ダブルスタンダード」転換し、公平、中立の調定者となれば、世界的に米国の威信は高まり、国益にも資するはずだ。
2014.8.7
今年は第1次世界大戦が始まって、ちょうど100年。オーストリア皇太子の暗殺事件が、なぜわずか1週間で世界大戦まで発展したのか、その過程を検証し、現代への教訓を考えてみよう。
2014.7.24
7月17日、ウクライナ上空でマレーシア航空機が撃墜された。地対空ミサイルによるものであることはほぼ確かだが、互いに背後にいるとおぼしき国を非難し、対立を激化する事には危険が伴う。ではどうしたらよいかを考えてみよう。
2014.7.10
日朝交渉が本格的に動き出した。これは「圧力」一本槍外交の失敗を認めたことに他ならない。感情論、強硬論は対外政策ではおおむねろくな結果を生まない、との教訓を日本人の多くが得れば、今後の安全保障に有益かもしれない。
2014.6.26
イラク情勢が急変している。イスラム・スンニ派の過激集団(ISIS)を主体とする武装勢力が、首都バグダッドに迫った。宗派、民族の複雑な利害対立にアメリカも打つ手なし。イラクは3つに分裂し、内戦が続くく可能性が高い。
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