2022.8.16
コロナ第7波後の日本景気が恐れるべきはインフレよりも「マネー」の理由
日本の経済活動は、夏場以降も持ち直しが続くとみられていたが、いわゆる感染の第7波と物価上昇で、再び弱含むとの懸念が高まっている。日本景気を長らくウォッチしてきたエコノミストが、恐れるべきは物価上昇ではなく、物価に先行して動くマネー…
三菱UFJ モルガン・スタンレー証券 シニアエコノミスト
しかの・たつし/1987年慶應義塾大学経済学部卒、同年山一証券経済研究所入社。98年三和総合研究所(現・三菱UFJリサーチ&コンサルティング)副主任研究員、2001年同主任研究員。07年三菱UFJ証券(現:三菱UFJモルガン・スタンレー証券) 景気循環研究所シニアエコノミスト。13年内閣府大臣官房審議官(経済財政分析担当)。15年三菱UFJモルガン・スタンレー証券 景気循環研究所 副所長。22年6月より現職。著書に、「アベノミクスの真価」(共著、中央経済社)、「日本経済のマクロ計量分析」 (共著、日本経済新聞出版社)、「先読み!景気循環入門」(共著、日本経済新聞出版社)、「2050年の経済覇権 コンドラチェフ・サイクルで読み解く大国の興亡」(共著、 日本経済新聞出版)など。
2022.8.16
日本の経済活動は、夏場以降も持ち直しが続くとみられていたが、いわゆる感染の第7波と物価上昇で、再び弱含むとの懸念が高まっている。日本景気を長らくウォッチしてきたエコノミストが、恐れるべきは物価上昇ではなく、物価に先行して動くマネー…
2022.7.11
円が対ドルで急速に下落している。6月下旬には、一時1ドル=137円台を記録し、1998年9月以来、23年10カ月ぶりの円安・ドル高水準をつけ、その後も135円前後で推移している。もっと、ドルは対ユーロやポンドなどでも上昇基調にあり、ドルの実効レート…
2022.6.13
22年1-3月期の実質成長率は前期比年率マイナス0.5%と、思いのほか小さかったことが確認されている。サービス消費の落ち込みが、過去2回の緊急事態宣言に比べ小さかったことが目立っている。しかし一方で、自動車関連の落ち込みは大きい。国内外の…
2022.5.17
新型コロナウイルスの感染状況の変化や、政府の感染拡大防止のための制限措置の適用・解除に合わせ、景気の変動が続いている。1-3月期の実質成長率(前期比)は、個人消費が落ち込んだことからマイナス成長になったとみられるが、4-6月期は、重点措…
2022.4.12
円は、対ドルで一時1ドル=125円台まで下落するなど円安が進んでいる。このため最近では、円安の日本経済に対するマイナスの影響が指摘されている。円安が進むと、円建てでみた輸入品の価格が上昇し、海外への支払いが増え、企業収益が圧迫される。…
2022.3.15
政府による重点措置の適用や対象の拡大で人出は減り、外食、旅行、娯楽などのサービス消費は落ち込んでいる。しかし、重点措置適用の対象はすでに縮小しており、4-6月期への期待も高まりつつある。そんななかで日本が直面しているのはウクライナ危…
2022.2.14
米インフレ率が5%台まで上昇する中、米連邦準備制度理事会(FRB)は、金融緩和の縮小から金融引き締めに向け動き、米長期金利は上昇基調だ。これまで米インフレ率、長期金利は、低下基調を続けてきたが、足元では反転しているとみられる。米国の物…
2022.1.24
昨年12月に新型コロナウイルスの新たな変異株であるオミクロン型の感染拡大が確認された後、日本では新型コロナの新規感染者数が急増している。政府は、16都県を対象にまん延防止等重点措置(以下、重点措置)の適用を開始し、関西3府県にも適用さ…
2021.12.20
内閣府は11月30日、20年5月を景気の「谷」と認定したことを発表した。景気の山・谷は、景気拡張(回復)と後退の分岐点となる。日本経済を長年分析するエコノミストが、景気の分岐点を判断する際に専門家が用いる指標群を解説するとともに、足元の…
2021.11.9
8月下旬以降、新規感染者数が減少基調となる中、消費への下押し圧力が和らいでいる。一方で、部品の供給制約で自動車は大幅減産を余儀なくされており、7-9月期はマイナス成長の可能性が高まっている。それでも秋以降に日本景気が高成長に転ずる理由…
2021.10.13
緊急事態宣言・まん延防止等重点措置が9月末で解除となり、飲食店などの営業時間は延長され、イベントなどの参加人数の制限も緩和されている。こうした制限措置の緩和により、経済活動の持ち直しへの期待も高まっている。宣言解除後の人出・人流の…
2021.9.14
緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の9月末までの延長が決定され、経済活動の下押しが引き続き懸念される状況といえるが、4-6月期の実質個人消費は、前期比0.9%の増加となった。政府は、飲食店の営業時間の短縮や大型商業施設の休業などを要請し…
2021.8.16
緊急事態宣言、まん延防止等重点措置の対象拡大などを受け、人出は7月23日をピークに減少に転じている。こうした状況の下、日本株は上値の重い推移となっているが、昨年3月の安値に比べ70%ほど高いなど下値は堅い。中長期的に、日本経済が堅調に推…
2021.7.27
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のためのまん延防止等重点措置、緊急事態宣言で4月の消費額は発令前の3月から1000億円強、5月は同じく3月比で6000億円弱、下押しされたと推計される。ただ一方で、世界経済が堅調に推移していることから、輸出は…
2021.6.28
まん延防止等重点措置の適用や緊急事態宣言により、人出が減ることで感染拡大が抑制されるが、同時に個人消費も減少し、経済活動が落ち込む。内閣府が公表する消費総合指数をもとに推計すると、重点措置、宣言の発令で、個人消費は4-7月期に計1.8兆…
2021.5.31
政府は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止ための緊急事態宣言の期限につき、東京など9都道府県で延長し、まん延防止等重点措置についても、埼玉など5県で期限が延長され、21年4-6月の経済活動の落ち込みが懸念されている。そこで過去の緊急事態…
2021.5.7
政府は4月に、まん延防止等重点措置を11都府県に適用し、東京・大阪・兵庫・京都の4都府県に対しては、緊急事態宣言を発令した。期限は、5月11日となっているが、延長も議論されており、経済活動に対する影響が懸念されている。発令される期間は、5…
2021.4.7
3月調査の日銀短観では、製造業の景況感の大幅な改善が示され、非製造業でも景況感の改善が確認された。先行きについては世界経済の回復が続き、経済対策の効果発現も予想される。しかし、商品市況と金利の上昇が忍び寄っているのも事実だ。景気循…
2021.3.5
緊急事態宣言の再発令により、今年1-3月期の実質GDP成長率はマイナス成長となる可能性が高い。しかし、輸出の拡大が続いていることもあり、足元の景気が底割れ、2番底を付けることはないだろう。むしろ先行きには、明るい要素が多い。それらの要素…
2021.2.5
政府が緊急事態宣言の延長を決定したことにより、経済活動の落ち込みを懸念する声が強まっている。昨年の緊急事態宣言を含む4-6月期の実質GDPは、年率換算29.2%減の大幅な落ち込みとなった。今回の宣言延長で、GDP成長率は同じように落ち込むのだ…
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