「このキャベツは1玉1000円でも安い」
と思った瞬間
わが風来では、起農当初から無農薬栽培をやってきました。
無農薬栽培で一番難しいとされているのが葉もの野菜。
最初の頃は技術・経験不足で白菜やキャベツがレースのカーテンのようになり、とても売り物になりませんでした。
しかし、起農2年目にして、初めて虫喰いのないピカピカのキャベツが穫れたときには、このキャベツは1玉1000円でも安いと思ったものです。
ただ実際には、そんな値段で売っても絶対に売れなかったでしょう(そのときは売るのがもったいなくて、冷蔵庫で保存していたら、いつの間にか妻に調理されていました……)。
キャベツ1玉1000円で売る。
そんな経済的に価値あるものにするのは、安全性や環境、そして農家の想いなどをいかに消費者に認識してもらえるかが大事です。
インターネットがない時代では、こういったことを伝える機会はありませんでした。
市場の価値観(見た目重視)が最優先されてきたわけです。
農家にとって唯一のメッセージは、テレビの情報番組、健康番組で取り上げられるかどうかにかかっていました。一度取り上げられた瞬間、その野菜が売れに売れて店頭から姿を消すなんてこともありました。
しかし、今はインターネットを通して個人が情報を出せる時代。
個々が想いを存分に出せる時代になったのです。
農産物を加工して付加価値をつけて販売する「6次産業化」(生産の1次+加工の2次+販売の3次をかけ合わせた造語)もメジャーになってきましたが、付加価値をつけるのは加工だけではありません。