酒鬼薔薇事件など凶悪犯が動物虐待経験者であることが多い

石黒謙吾(いしぐろ・けんご)
著述家・編集者 1961年、金沢市生まれ。著書には、映画化された『盲導犬クイールの一生』『2択思考』、“分類王”の『図解でユカイ』他、『エア新書』『短編集 犬がいたから』『どうして? ~犬を愛するすべての人へ』など幅広いジャンルで多数。近刊著書は『分類脳で地アタマが良くなる』。プロデュース・編集した書籍も、ベストセラー『ジワジワ来る○○』(片岡K)、『ナガオカケンメイの考え』(ナガオカケンメイ)、『負け美女』(犬山紙子)、『ネコの吸い方』(坂本美雨)、『犬と、いのち』(渡辺眞子) 『マン盆栽の超情景』(パラダイス山元)など200冊以上。■ブログ http://www.blueorange.co.jp/blog/

石黒 ペットショップなどでの、子犬や子猫の「生体販売」は、少なくとも日本よりは厳しい規制があるんですよね?

本庄 そうですね。あるところはありますが、州によっては、パピーミルから犬猫を入手して店頭で販売することを禁じているところもあります。

石黒 アメリカでは、4つの施設を訪ねてますね。

本庄 はい。まずは、本の最初に登場するキレイなオレゴンの私営シェルター、「オレゴンヒューメインソサエティ」という、動物虐待に取り組む民間団体。次にサンフランシスコのシェルター。3つ目と4つ目が、「ファームサンクチュアリ」と呼ばれる、家畜などの保護施設です。

石黒 実は最初、この本を作り始めるとき「捨てられた犬や猫の保護施設のレポート」という内容とイメージしていたのですが、アメリカの、動物虐待に対する取り締まりや法律を含めた取り組みを知って、これは一口に動物保護といっても、施設の充実以外に幅広い課題があるなと、自分の中でぼんやりと思っていたことが浮き彫りになってきました。

本庄 ありがとうございます。オレゴンで取り組んでいる、動物虐待をする子どもをなくす活動から、虐待された動物を幸せにするケアまで、「8つのプロセス」の緻密さには驚きました! 市民の目、摘発、裁判、動物の身体的・精神的リハビリなど、行き届いています。そして日本では動物虐待が、摘発、処罰となかなかならないのが大きな課題です。

石黒 その今話しに出た、子どもの件。酒鬼薔薇事件の少年が猫を殺していたこととかの関連が興味深いですよね。

本庄 そうなんです。凶悪犯罪を起こした犯人が動物虐待経験者であることが多いということは、多くの研究者が証明しています。

譲渡の際、環境の変化に対応しやすいよう、一般家庭を再現した部屋で練習する(アメリカ)