ソーシャルメディアの4象限

 ソーシャルメディアというものの本質を理解するにあたり、まずは現存するソーシャルメディアを4つの種類に分類することでその全体像を把握してみたいと思います。

 人々がつながり、集まろうとする際には、何かしらの「拠りどころ」が必要になります。この拠りどころの種類によって、ソーシャルメディアは2つに大別することができます。1つは、「現実生活」の交友関係でつながるソーシャルメディア。そしてもう1つは、「価値観」でつながるソーシャルメディアです。今回は、現実生活のソーシャルメディアにフォーカスしてお話しすることにしましょう。 

縦軸に「拠りどころ」、横軸に「求めるもの」をとったマトリックスでソーシャルメディアを4つに分類する。

 現実生活でつながるソーシャルメディアでは、学校や職場など生活の行動範囲でつながる知人を拠りどころにネットワークがつくられます。このタイプのソーシャルメディアとしては、アメリカ発の「フェイスブック」や日本生まれの「ミクシィ」など、SNSと呼ばれるジャンルが挙げられます。SNSは、狭義には知人を自分のプロフィールページで紹介し、知人どうしでつながり合うシステムを指します。

 SNSには、知人どうしのつながりをサポートするために、特定のテーマで集まる場所を作成したり参加したりすることができる機能がついています。ミクシィで「コミュ」と呼ばれ、フェイスブックでは「公開グループ」と呼ばれているものです。そこで選ばれるテーマは、高校や大学の卒業年度や住んでいる地域などを中心に個人が自分の属性に合わせて知人を発見しやすいように工夫されています。

 それぞれにテーマがあるので一見、価値観のソーシャルメディアのエリアの仲間に入るように思われますが、これらは現実生活のソーシャルメディアとして分類したほうがより正確です。なぜなら、個のネットワークが中心となる現実生活のそれでは、コミュで知り合った者どうしもお互いの知人リストに加わり「マイミク」または「フレンド」となることで(つまり知人になってからはじめて)、関係強化のための交流が行われるからです。