企業から見た一人ひとりの社員とその価値
なぜなら、社内の人材を経営資源として見ていく企業の側にとっては、社員一人ひとりは決して「同じ」ではありません。
たとえば、同じ仕事を担当しても、最低限のことしかできない社員もいれば、顧客や上司の期待を超える成果を出す社員もいます。社内研修に参加すれば、ほとんど居眠りしている社員がいれば、熱心に勉強して多くを学びとる社員もいます。職場では、反抗的な態度で上司の注意を聞こうとしない部下がいれば、アドバイスを素直に聞き入れてスクスクと成長していく部下がいます。
このように企業や上司の目から見ると、社員は決して「平等」ではありません。
一般的に、「人材には4タイプがある」と言われています。
・人財:自ら考え動いて、高い業績を上げ続けている人
・人材:それなりの能力はあるのに、貢献意欲がいまひとつの人
・人在:人数としてはカウントされるが、戦力としてあまり期待できない人
・人罪:職場にとって迷惑な人、できれば辞めてほしい人
企業としては、いい意味で目立つ有望社員や、すでに「人財」と認められている社員に対して、優先的に多くのチャンスを与え、手厚い処遇をしたいと考えるのは当然でしょう。
いったん企業から「人在」「人罪」というレッテルを貼られてしまうと、並大抵の努力では、その評価は挽回できません。たとえ上司が異動などで代わっても、元の上司から次の上司へ、部下に関する人事情報が「申し送り」されるので、元の上司が貼ったレッテルが引き継がれるものです。