受ける会社、業種によって、
言うべき自己紹介と志望動機を
変えるべきなのか。
どんなに好奇心のない人でも、第1志望と同じ業種の会社は、何社か受けるだろう。
好奇心を持っている正常な神経の持ち主であれば、業種がいくつかにまたがってくるはずだ。
それでは、同じ業種のA社とB社を受けるとき、面接で言うべきことは、どのように変えなければならないのだろうか。
A社にふさわしい面接の答えと、B社に適した面接の答えの両方を用意しなければならないのだろうか。
だとしたら、これは結構大変なことになる。
10社受ける人は10通り、30社回る人は30通りの答えを用意しなければならなくなる。
この本の最初に、たった2つのことを覚えればいいと言ったのに、なんだ、結局いっぱい覚えなくちゃいけないんだ、と君は怒るかもしれない。
その心配はない。
たとえいくつ受けようとも、君が準備しなければならないことは、やっぱりたった2つでいいのだ。
もう一度、面接で君が言わなければならないことを思い出してほしい。
まず1つは、自己紹介。
同じ人間が受けるのに、自己紹介が、受ける会社によって、そんなにコロコロ変わるだろうか。
面接におけるベストの自己紹介は、たった1つである。
「そんなことはない。受ける会社に合った自己紹介があるだろう」
と君は言うだろう。
でもそれは間違いなのだ。
A社にはベストの自己紹介だが、B社にはベストではないとしたら、そもそも君が用意したA社用の自己紹介が、間違っているのである。
ではB社用の自己紹介を、A社でも使えばいいのか。
発想の根本のところが間違っているのだ。
どんな会社でも通用するのがベストの自己紹介なのだ。どんな会社でも通用する自己紹介とは何か。
それを、これから君に伝授するのだ。
ではもう1つの面接で言わなければならないこと、志望動機はどうだろう。
これはいくらなんでも、どの会社も使い回しというわけにはいかないだろう。
志望する業種が3つにまたがる場合、3つの志望動機があってもいい。
ただしここで誤解してはならないのは、まず最初に志望動機ありきということだ。
君たちがつい陥りやすい過ちは、先に志望会社や志望業種を決めて、その後でそれぞれに合わせたもっともらしい志望動機を考えていくことだ。
発想の仕方が逆なのだ。
まず入りたい会社を決めて、それから都合のいい志望動機をでっちあげようとするから、10社受けるときには10社分の志望動機が必要になってくるわけだ。
そうなると、そのどれもが都合のいい志望動機だから、すべてもっともらしいけど、すべて本気ではないということになってしまう。
だいたい、そんなでっちあげの志望動機にだまされるほど、面接官は甘くない。
人間なんだから、志望動機は、1つではないかもしれない。
普通の好奇心があれば、いくつもあって当然だ。
志望動機がいくつもあれば、当然、それぞれに見合った企業や業界が導かれるだろう。
志望動機から導き出される企業や業界なら、無理に1つに絞り込まなくても、いくつあってもかまわない。
ただし、会社を選んでから志望動機を決してでっちあげてはいけない。
志望する会社に合わせた
志望動機をでっちあげない。
志望動機に合った会社を選ぼう。