食べ物を変えると、脳も変わる!2017年11月に刊行され、早くも重版の決まった『脳にいい食事大全』。栄養コンサルタントのミシェル・ショーフロ・クックによる「脳のパフォーマンスを最大化するスーパーフード」を連載形式で紹介していきます。
セロリは記憶力の低下を防ぐ
20種類もの抗炎症物質を含むセロリとセロリシードは、脳力アップのための食品のなかのスーパースターである。
脳の健康に効くスーパーフードとして、セロリほど過小評価されている食べ物もない。あまりにも身近にあり、手頃な価格で入手できるためにピンとこないかもしれないが、セロリは紛れもなく、脳に素晴らしい効果をもたらすスーパーフードだ。今から900年以上前、作家・科学者・音楽家・修道女のヒルデガルト・フォン・ビンゲンが、セロリの抗炎症性について書いている。
科学がその発見の正しさに気づいたのは、最近のことだ。著名な植物学者で、名著『The Green Pharmacy』の著者であるジェームズ・デュークはセロリとセロリシードには強力な作用で知られるアピゲニンを含む20種類以上の天然の抗炎症物質が含まれていることを発見した。これらの抗炎症物質は脳の炎症を減らし、老化にともない生じる記憶力の低下や脳の機能低下を食い止める。
関節炎・痛風にも効く
セロリはさまざまな形で簡単に日常の食事に加えることができる。ジューサーやミキサーでジュースにするのもいい。ミキサーを使う場合、水を吸ったセロリが膨張しやすいので加える水の量を少なくし、時間を置かずに飲むとよいし、刻んだセロリやセロリシードをスープやシチューに入れるのもいい。
私の妹はご自慢のシーザーサラダドレッシングに刻んだロリを隠し味としてブレンドし、ドレッシングに深みを加えている。アーモンドバター・ハマスなどのディップやスプレッドをつけて生で食べたり、刻んでサラダに加えたりしても美味しい。
塩の代わりに調味料として使いながら、抗炎症効果も得られる。セロリもセロリシードも自然の塩味があり、多くの料理に適している。私のお気に入りは、ガーリックの代わりにセロリシードを使ったセロリブレッドだ。全粒粉のグルテンフリーブレッドにオリーブオイルを塗り、その上にセロリシードを載せて、小麦色になるまでオーブンで焼くだけでつくれる。
セロリシードのメリットは、サプリメントからも享受できる。つま先の強い痛みで知られる関節炎・痛風の処方薬には、抗炎症効果のあるセロリシードのサプリメントが使われることがある。セロリとセロリシードは医学的な効果が実証された関節炎の治療薬だ。