食べ物を変えると、脳も変わる!2017年11月に刊行され、早くも重版の決まった『脳にいい食事大全』。栄養コンサルタントのミシェル・ショーフロ・クックによる「脳のパフォーマンスを最大化するスーパーフード」を連載形式で紹介していきます。

茶に含まれるカテキンは脳細胞の損傷と死滅を防ぐ

アフタヌーンティーは、頭をすっきりとさせるのに役立つ。紅茶、緑茶、白茶には、カテキンと呼ばれる抗炎症・抗酸化成分が大量に含まれており、脳の健康に最適だ。これらの天然のファイトケミカルは、脳を保護するために極めて効果的であることがわかっている。

また毎日2杯以上の茶を飲む人はパーキンソン病の発症率が低い――緑茶の抽出物はパーキンソン病によって冒された脳の領域での神経細胞の損失を減少させる――といった研究結果もある。緑茶には、フリーラジカルと闘う抗酸化物質がビタミンEの20倍も含まれているという研究結果もある。

緑茶は、脳卒中の原因となる血栓や血液凝固のリスクを低下させる。しかし、脳卒中のリスクを軽減するのは抗酸化作用だけではない。緑茶は動脈でのコレステロールの蓄積を防ぐので、心血管疾患の予防にも役立つ。Journal of Biological Chemistry誌に掲載された研究によれば、EGCG(エピガロカテキンガレート――紅茶、緑茶、白茶に含まれる特殊なファイトケミカル)は、動脈での脂肪の蓄積を防ぐ。

緑茶の健康効果はよく耳にするが、その立役者になっているのがEGCGだ。白茶と紅茶にもこの物質が含まれているが、一般的に緑茶よりもEGCGの含有量が少ない。日常的なカフェインの摂取が、パーキンソン病の主な原因であるドーパミンの減少を防ぎ、加齢に伴う脳の変性プロセスを食い止める可能性があることを示す研究もある。

茶がもたらす脳への嬉しい健康効果は他にもある。EGCGは、体内のインスリン効率を改善して血糖値の急変動を抑制するので、疲労や興奮、ジャンクフードへの欲求などを減らせる。脳を正常に機能させるためには、血糖値を安定させることが不可欠だ。血糖値が安定していると、脳内の炎症も減らせる。

お茶は慢性的疾患に効く

緑茶の茶葉1~2さじを熱湯に注ぎ、5分程度置いてから茶こし器でこす。冷やして飲みたければ、冷ましてから氷を加えるといい。緑茶の適量は1日3杯程度だと言われている。嬉しいことに、緑茶にはコーヒーや紅茶よりもカフェインの含有量が少ない。

味が好みではないなら、飲み方を変えてみよう。熱くしても、冷たくしてもいいし、甘くしたいのなら、天然ハーブのステビアを少量加えよう。私もはじめ緑茶はあまり口に合わなかったが、今では新鮮なレモン汁とステビアを加え、氷で冷やして飲むのが大好きになった(いわば、緑茶レモネードだ)。緑茶が嫌いな人でも、この飲み物は気に入ってくれる。

茶(特に緑茶と白茶)には、フリーラジカルを死滅させる強力な抗酸化物質が含まれてい
るため、関節炎、糖尿病、がんなどの多くの深刻な慢性疾患の発生リスクを減らせる。