人を動かす基本は、人に好かれること。ビジネスパーソンにとっていちばん大事なのは、MBAの知識よりも人づきあいのスキル。人間の深層心理を平易にユーモラスに解説する書籍で多くのファンを持つ著者が、相手から信頼され、好かれるための人づきあいの方法を5回にわたって紹介する。
人づきあいのスキルはビジネスパーソンの土台
ビジネスパーソンが身につけておくべきスキルとして、「英語」「IT」「会計」が重要だとよく言われます。
たしかに、いまの市場を考えると英語やITは必要でしょう。また、会計が分かれば、仕事を違った面から見つめることができます。
しかし、ビジネスパーソンにとってもっと大切なスキルは、「人づきあいのスキル」だと私は思います。
初対面の相手といかにして仲良くなれるか。また、いかにして相手から
「わかりました。やってみましょう」
という言葉を引き出せるか。
そうした良好な人間関係を築き上げるスキルが土台にあってこそ、英語力も会計知識も自分の能力として発揮することができます。
仕事とは、人と人とが協力しあいながらするもの、人と人との間に生まれるものです。あなたが叶えたい夢や目標も、多くの人たちの協力や支援があればこそ、現実に近づけることができます。
そう考えると、ビジネスパーソンにとってまず鍛えるべきは、人づきあいのスキルといえます。
いくら仕事が数字で管理されようが、人間はロボットではありません。感情というものがある以上、好きな人や尊敬できる人の言葉や行動に影響されるものです。
そして同じ仕事をするなら、嫌いな人よりも、好きな人や気の合う人と数多くしたいと思うのも人間の心理です。
だからこそ、人づきあいのスキルを磨くことは、仕事の成果を上げるだけでなく、あなたの可能性を大きく広げる力にもなるのです。