「つまらない仕事はない」。そう言われても、単純作業などは、モチベーションが上がらず作業効率も上がらない。仕事には単調で地味なものも多いが、新入社員が楽しく前向きに取り組める方法はあるのか?
『入社1年目の教科書』著者の岩瀬大輔さんが、不安を覚える新入社員にアドバイスする。
本記事では、ライフネット生命社長の岩瀬大輔さんの新刊『入社1年目の教科書 ワークブック』から、内容の一部を再編集し特別公開する。(まとめ/編集部)
※本文写真の新入社員Cさんはイメージです
カタログ発送作業を
なぜ新人がやるのか
新入社員Cさん(以下Cさん) 資料請求をしてきた方へのカタログ発送や会議用資料のコピーとりなど、新入社員が任せてもらえる仕事はつまらないものばかりです。もっとやりがいのある仕事がしたいのですが。
岩瀬大輔さん(以下岩瀬さん) どちらの仕事も大事な仕事ですね。そもそも、なぜ、Cさんがその仕事をする必要があるのだと思いますか?
Cさん なぜ僕がやるか、ですか? 考えたこともありませんでした。
岩瀬さん たとえば資料請求をしてきた方へのカタログ発送作業で、何か気づいたことはありますか?
Cさん そうですね…。あっ、入社前は個人向けのサービスなのかなと思っていましたが、実際に資料請求してくる方は企業の営業部門の管理職の方が多いことに気づきました。
岩瀬さん それは発見ですね。発送作業をする中で「お客様が誰か」がわかったということでしょう。入社する前には知らなかった仕事の一面を知ることができたとなれば、Cさんが発送作業をおこなう意味はありますよね。
Cさん たしかにそうですね。上司に「発送お願い」と言われたときは、単なる作業だと思っていましたが、こうして考えてみると、「自分の仕事は誰とおこなうものなのかを把握せよ」というミッションがあったのかも、と思えてきました。
岩瀬さん では会議用資料のコピーとりはどうでしょう?
Cさん コピーとりの方法を学ぶための…。いや、それだけじゃない気がします。
岩瀬さん もちろん、作業のやり方を知ることも大事ですが、ほかにもありそうですね。
Cさん どういう議題が今上がっているのか、誰がその会議に参加するのか、コピーしながら資料をチラッと覗き見すると、新しい発見がたくさんあります!
岩瀬さん そうですね。どんな部署の人たちがその仕事に関係しているのかもわかりますよね。
Cさん はい!そうか、一見単純な作業にも意味があるのですね。
岩瀬さん そのことに気づくと、作業への取り組み方も変わりませんか?
Cさん 発見の連続なので、楽しくなってきました。…でも…。