「提案内容」の水準を高める

 まず、【チェックポイント(1)】についてご説明します。
 これは、会議の品質を高めるためには、最重要ポイントと言っても過言ではありません。当たり前のことですが、提案内容の水準が低ければ、議論の焦点が定まらず非効率な会議になり、とても15分で意思決定に至ることはできません。そのような事態を避けるためにも、提案段階で「70点」のクオリティを求める必要があります。そして、その水準に到達していない提案は、事前に差し戻してブラッシュアップを求める。つまり、厳しいようですが、会議から排除するわけです。

 逆に提案内容が一定水準、すなわち連載第4回で述べた「70点の意思決定」を即座に下せる水準に達していれば、定例会議でも簡潔な質疑応答で疑問点を確認すれば、ほんの数分で十分に意思決定ができることもあります。効率的な会議を実現するためには、提案そのものの水準を高める努力が不可欠なのです。

 なお、提案を差し戻されるのは、メンバーにとっては辛い経験ですが、このプロセスをうやむやにするべきではありません。なぜなら、「ここが足りない」「根拠となるデータが弱い」などと指摘をしてブラッシュアップをしてもらうプロセスのなかで、「意思決定のために不可欠な要素が何なのか?」ということをメンバーは学ぶことができるからです。

 その要素については、このあとの連載で詳しくご説明しますが、これを体得してもらうには、口頭で説明するだけではなく、具体的な提案資料を作り込む過程で自ら学び取ってもらうしかないのです。