志麻さん革命
「罪悪感を払しょくするほど美味しい」
記者:「志麻さんとの出会いで、変わったことってありますか?」
片平:「人生が変わりました」
記者:「どういうこと?」
片平:「私はもともと料理好きで、ホームパーティと聞くと血が騒ぐタイプ。家にはたくさんの調味料に食材。こだわっていろいろ料理して、みんなでワイワイ騒ぐのが好きなタイプでした」
記者:「にぎやかでいいじゃないですか」
片平:「だから、子どもができた時も、子どもの食育のためにもカンペキに料理したいと思ったんです。これまで2回、育休を取りました。1回目の息子の育休を終え、職場復帰した時は、がんばりすぎちゃった。毎日の夕食は一汁三菜、出汁も一から取りました。日々がんばって作っていましたが、料理を作ることに必死になってしまい、心に余裕がなくなっていった。がんばって作った料理を残した息子に怒ってしまったり、夕飯準備中に甘えてくる息子を面倒に思ってしまったり。今思うと、子どもと笑顔で食卓を囲んでいた日は少なかったんじゃないでしょうか。加えて、男の子は体が弱いというセオリーどおり、月に何度も高熱を出し、時には付き添い入院したりして、精神的にも肉体的にもまいってしまったんです」
記者:「それは大変でしたね」
片平:「それで、2度目の育休期間中に発想を180度変えました。職場復帰に備えて、食は志麻さんに委ねようと」
記者:「大胆な価値観の転換! よくできましたね。そうなると、何がどう変わります?」
片平:「心に余裕ができて、笑いながら食卓を囲めるようになりました」
記者:「それは幸せなことですね」
片平:「平日はスープやサラダを1~2品作るだけ。あとは志麻さんが作ってくれた料理をあっためるだけで理想だった「一汁三菜」が完成します。夕食準備への焦りがなくなって心に余裕が生まれました。
たとえば、多忙な時ほど子どもにお手伝いをさせなかった。自分ですべてやるほうが効率がいいし、早いから。今は配膳などを2人の子どもに役割分担してお手伝いをしてもらっています。
志麻さんにわが家の食卓を委ねて生まれた余裕で、積極的に子どもたちに『お手伝いしてね』と任せられるようになった。すごい変化が生まれたんです」
記者:「革命に近い変化」
片平:「はい。子どもたちは日々、志麻さんのご飯で成長しています。他人だけど半ば家族同然。志麻さんじゃなきゃいけない。志麻さんがいなくなったらゾッとする!(笑) だって料理は母親の役割だからやらなくちゃ、っていう罪悪感を払しょくするほど美味しいんだもの」
記者:「なんだ、その表現は!(笑) 次回は、家政婦というイメージを根底から覆した、志麻さん革命、についていろいろ教えてください」
片平:「わかりました!」
彩りあざやかで、冷蔵庫の少ない食材でできる志麻さん「プレミアムレシピ」の数々は、連載第1回を、ぜひご覧いただければと思います。