本部長以上は「絶対評価」のわけ

 しかし、部長以上は違います。

 新たな稼ぎをつくることが条件で、去年と同じことをやって数字が上がっただけなら評価されません。

 また、部長以下は相対評価、本部長以上は絶対評価にしている点も特徴です。

 メンバー5人、みんな優秀な数字をたたき出しても、全員をA評価にせず、上からS・A・B・C・Dと差をつけて評価するのが相対評価です。

 相対評価のいいところは、同僚の間でライバル意識が芽生えて、社内が活性化することです。

 自分が100を売り上げていても、同じ課のライバルが110なら、ライバルより評価は下。「よし、あいつを超えよう」と競争が始まり、お互いに切磋琢磨するようになります。

 また、絶対評価にすると、プロセス評価で上司の採点が甘くなります。

「えこひいきしたと思われるのがイヤだから、みんなBでいいか」
 とテキトーな点数をつけてお茶を濁してしまう。

 本当は差があるのに同じ評価を与えるのは、悪平等・不公平です。
 公正な評価をするために相対評価は必要です。

 ただし、本部長以上は「絶対評価」です。
 どの部門も業績が悪化して会社が赤字になったのに、相対評価でSやA評価をもらう部門長がいたらおかしい。

 低いレベルで争っていたら会社が傾く。

 本部長以上は、他部門に関係なく業績をアップさせないと高い評価をしません。
 本部長は数値データで半期の自己アピールを提出し、役員会の独断で決めると経営計画書に明記してあります。

 ぜひ、第1回連載にある、【あなたの会社の危険度ワースト「15の死角」】をチェックしながら、『数字は人格』をカラダ中の細胞に植えつけていただけたらと思います。