課長クラス以上のマネジャーにとって「会議術」は、チームの生産性を上げるために必須のスキルです。ところが、私たちには「会議術」を体系的に学ぶ機会がほとんどありませんから、悩んでいるマネジャーも多いのではないでしょうか? そこで、ソフトバンク在籍時に「会議術」を磨き上げ、マネジャーとして大きな実績を残した前田鎌利さんに『最高品質の会議術』(ダイヤモンド社)をまとめていただきました。本連載では、その内容を抜粋して掲載してまいります。

「詳細情報」はアペンディックスに回す

 私は、ソフトバンクのマネジャーになってから、定例会議を「30分」に変更し、効率的に質の高い意思決定を行うために、下図のようなシンプルな提案書サマリーをフォーマット化しました。メンバーから提案をするときには、基本的にこのフォーマットにまとめてもらったうえで、会議でのプレゼンを「3分以内」に終わらせるように徹底したのです(詳しくは連載第12回参照)。

 また、この提案書サマリーはシンプルなだけではありません。

 的確な意思決定をするために、「課題→原因→解決策→効果」というロジック展開が埋め込まれているのです(下図参照、詳しくは連載第14回参照)。このように、「シンプル+ロジカル」な提案書サマリーを徹底することで、会議における「ディスカッション+意思決定」を効率化することができるわけです。

 ただし、提案書はこれだけで完結するわけではありません。これはあくまでサマリー(要旨)ですから、サマリーに記した内容に関する詳細情報はアペンディックス(添付資料)として用意しておかなければなりません。

 上掲の提案書サマリーをもう一度ご覧ください。これは、ある小売企業で店舗の来客数が大幅に減少していたため、その解決策を提案するものですから、「課題」の項目には「店舗来客数の大幅減」と書かれていますが、その詳細(どのように減少しているか?)について下図のようなアペンディックスを用意しておく必要があります。

 担当者がプレゼンをするときに、「このグラフのように、今年2月から急激に顧客満足度が低下する傾向があります」とアペンディックスを示しながら説明してもよいし、プレゼンでは詳細には触れず、ディスカッションのなかで「顧客満足度はどのくらい下がってるの?」などと質問されたときにアペンディックスを示しながら回答してもよいでしょう。

 いずれにしても、サマリーに掲げた項目の詳細情報(データ)は必ずアペンディックスとしてストックしておく必要があります。逆にいえば、詳細情報はアペンディックスとしてもっておけばよいから、サマリーを徹底的にシンプルにすることができる、というわけです。