課長クラス以上のマネジャーにとって「会議術」は、チームの生産性を上げるために必須のスキルです。ところが、私たちには「会議術」を体系的に学ぶ機会がほとんどありませんから、悩んでいるマネジャーも多いのではないでしょうか? そこで、ソフトバンク在籍時に「会議術」を磨き上げ、マネジャーとして大きな実績を残した前田鎌利さんに『最高品質の会議術』(ダイヤモンド社)をまとめていただきました。本連載では、その内容を抜粋して掲載してまいります。

KPIが意思決定の「判断軸」である

 定例会議は、チームが担っているプロジェクトのPDCAを回す機能を担っています。そのPDCAサイクルにおいて、適時的確な意思決定を行うために不可欠なのがKPI(key performance indicator)です。

 ご存知のとおり、KPIとは、目標達成度を評価するための主要業績評価指標のこと。Plan(実行計画)の段階でKPIを設定し、Do(実行)した結果をKPIと比較することでCheck(検証)して、次のActionに活かしていくわけです。

 そして、検証時の意思決定は、下図のとおり大きく3つあります。

 KPIを達成していれば「新たな施策」か「改善策」を意思決定し、達成していなければ「改善策」か「撤退」を意思決定するのですが、これらの意思決定を行うためには、当たり前のことですが、あらかじめKPIを設定しておくことが不可欠です。

 ですから、提案書サマリー(連載第12回参照)に必ずKPIを明記するように徹底するようにしたうえで、その妥当性についてディスカッションするのは会議の重要なテーマとなります。

 まず第一に、KPIはできる限り「定量的」に判断できるように、「数値化」することが大切です。

 もちろん、「定性的」なKPIにせざるを得ない場合もありますし、完全に「定量化」するのが難しい場合もあります。しかし、「定性的」なKPIでは、どうしても達成度の評価・検証が主観的であやふやになりがちで、PDCAにおける意思決定に明確性が欠ける結果を招きがちです。

 ですから、できる限り「定量的なKPI」を設定することを原則とすべきです。重要なのは、最初にGOサインを出すときの会議で、メンバーとしっかりコミュニケーションをとって、「定量的なKPI」に対するコンセンサスを一定程度確立することです。

 実際には、実行してみると想定外の問題が明らかになり、そのKPIに問題があることがわかる場合もありますが、それもPDCAの一環。そのときには、改めて会議の場でメンバーとともに実態に即したKPIを設定すればいいのです。まずは意思決定して実行してみる。そこから学んで、次のチャレンジに活かすことで精度を上げていく。これは、KPIにも当てはまることなのです。