驚くほど徹底的な動画中継
ライブ中に食事やトイレ、着替えまで 

動画で商品説明する店員顧客の質問に応じて売り手が説明する

  もっと詳しく説明してみよう。

 この淘宝直播(タオバオ・ライブ)は、2016年に中国国内からスタートしている。

 例えば、北京の自宅のベッドの上で寝ころびながらスマホのタオバオアプリを開くとする。

 ライブ動画のページをタップすると、スマホ上の動画で、突然、中国人女性が胸をはだけた。

「これが19番、日本製のブラパッド。こうやって着けるの」

 いきなり胸に手をつっこんで実演すると、スマホ画面に一斉に弾幕が走る。

 ==もっとアップで見せてぇ==

 ==洗濯できる?==

 ==主播(画面にいるアナウンサー。つまり店主、売り手)がいま、着ている服は何番?==

 と、同時に、“lovelove北京来了”と新しくライブ動画に参加した私の名前も表示される。さらに、○○さん他、2名お買い上げです!のテロップも流れる。

「広州芒果(相手のタオバオネーム)、私の着てるのは10番よ。あ、ちょっとゴメンね」

 画面の中でスマホを持って移動しながら、テロップでの質問に、口頭で答える店主。時にはトイレに行きまーすと、そのまま3分ほど不在画面が表示される。

 タオバオはもともとCtoCから発達したネットショッピングモールで、現在も小店主が多いが、自宅の一部でやっているような、この下着店の販売動画をいま、ライブで見ている人は約2万1000人。

 これが総ユーザー、約5億人と言われるタオバオの威力である。

 洋服などは、こういう双方向動画での販売に非常に向いている。