ネット通販は写真の印象が大きい。中国で注文が殺到する商品を、“爆款(バオクワン)”というが、スマートなモデルが、洋服をすてきに着こなし、さらに修正をかけた写真にそういうものが多かった。

友達感覚で商品説明する。場所は韓国で中国人女性が紹介お友達感覚”で商品を説明、販売する。韓国の服飾街から中国人女性が紹介

 そのせいで、一時、人気タオバオモデルの賃金が急騰した。 

 もっとも、モデルさんや女優さんと同じ化粧品を使い、同じ服を着て、心の中では「私は石原さとみ」と思っていても、鏡を見ると(……えっ?)となるのが、世界の99%の女性というものである。

 写真をあまり盛っても「いらんわい、とりゃーっ」と返品が殺到する。

 現在のタオバオでは返品も非常に気軽である。

 ほとんどの店が7日間無条件返品に対応しており、逆にそれをつけない店は「だましかな?」と私も疑ってかかる。

 さらに返品運賃保険もある。返品作業も配達会社とリンクしており、スマホをタップしていくだけで、運送配達員の、家への返品集荷時刻まで設定でき、新たな入力はほとんど不要。店ともめてもすぐ本部が介入し解決してくれる。日本のネット通販よりよほど対応がいい。

 となると、もう無理やり売るよりは、自分と身近な店主や販売員が自ら動画で着て、動きながら見せて、

 ==後ろ、どうなってるの?==

「こんな感じよ。ほら、回るとこんなにかわいいの!」

 “お友達”になりながら、商品がピタッと合う客に売った方がいい。

 店主も、スマホ越しのお客からの、賛!(いいね!)のリアクションにさらに張り切って、ポーズをとる。

 さらに見ている客には、さまざまな割引を付け、お得感もあおる。

店主も「自分大好き」
自分がスター気分でライブ中継

 さらに、この「自分が簡単にスターになれる」システムも、中国人に大いにマッチした。中国人の多くは、自分大好きである。さらに自分の生活を人に見せることを躊躇しない。