結果を出すしかない、今が楽しい

小林:今日、お話を聞いていて諸藤さんは「メタ認知の鬼だな」と思ったんです。世の中にはなんでも型にはめたがって、本当は少し違うのに、「こういうもんでしょ」と自分の視点でものごとを捉えてしまう人が多いと思うんです。そういう人は、綺麗に型を語っているけれど、メタ認知力がないなと。諸藤さんのように、やられている事業の複雑性が高いと、メタ認知力がめちゃくちゃ必要なんだなと思ったんです。

諸藤:実は、「メタマルチ」と呼んでいるハンズオンのパッケージがまさにそうです。
これは、事象を抽象化し多面的にアプローチすることで、一個の事象から5個の施策を出すというもので、日常バージョンやインシデントバージョン、クライアントバージョンなどがあって、それをデイリーのメルマガなどで事例として紹介し、メタマルチを起こしてもらうというものです。

朝倉:最後に、エス・エム・エスを経営していらした頃と現在を比べて、経営者としての視点では、どういった点に違いを感じているか、教えていただけますか?

諸藤:「エス・エム・エスはたまたまラッキーだったから成長することができたのか」を、これからの活動を通して検証したいと思っています。もう一回ゼロから検証しないといけないということで、地理的に全く違う場所に行き、なおかつ、拡張性があって市場が伸びるところでやりたいということで、東南アジアに来ました。幼稚園児みたいな英語しか話せないのに、日々直面するチャレンジが多すぎて、そもそも何も起こせないんじゃないかという不安もあるのですが、「結果を出すしかない」というコミット感があるので、今は楽しいです。

東南アジアに複数の新しい産業を創る、REAPRAの挑戦【諸藤周平さんに聞く Vol.4】

雇用するスキームも自由にあって、伸びる場所(市場)もあって、数も多くて、「これで結果を出せないと、すげえやばいな」という緊張感があります。なので、今について言うと、楽しいですね。前のほうが良かったと思うことはないです。

*本記事は、株式公開後も精力的に発展を目指す“ポストIPO・スタートアップ”を応援するシニフィアンのオウンドメディア「Signifiant Style」で2017年12月18日に掲載された内容です。