課長クラス以上のマネジャーにとって「会議術」は、チームの生産性を上げるために必須のスキルです。ところが、私たちには「会議術」を体系的に学ぶ機会がほとんどありませんから、悩んでいるマネジャーも多いのではないでしょうか? そこで、ソフトバンク在籍時に「会議術」を磨き上げ、マネジャーとして大きな実績を残した前田鎌利さんに『最高品質の会議術』(ダイヤモンド社)をまとめていただきました。本連載では、その内容を抜粋して掲載してまいります。
「本当に利益をもたらすのか?」という財務的視点
企業の意思決定においては、絶対に押さえておかなければならないポイントがあります。提出される提案書、その提案書に基づいて行われるディスカッション、そして意思決定に至るまで、このポイントが一貫して意識されていることが「会議の品質」に直結するのです(下図)。
まず第一に、あらゆる意思決定は「会社に利益をもたらすもの」でなければなりません。当たり前のことですが、企業はあくまで「営利事業体」。利益を出さなければ事業を継続することはできませんから、「儲からないだろうけど、おもしろいアイデアだ」などという理由でGOサインを出すことは許されません。
ですから、現状よりも収益アップやコストカットなど、何らかの財務的なデータが改善されることが一定の確率以上で見込まれることが、意思決定の判断基準となります。