「現場でうまく回るのか?」という実現可能性
意思決定において絶対に押さえるべき第二のポイントは「実現可能性」です。どんなにデータ上は効果が見込めるアイデアでも、現場でうまく回せないような提案では意味がありません。
たとえば、小売店舗で大安売りをすれば、確実に集客を増やすことはできるでしょう。しかし、現場のオペレーションに無理があれば、必ず破綻します。その結果、予測していた集客増は“画に描いた餅”となるだけではなく、顧客に迷惑をかけたり、現場のモチベーションを下げるなど、会社に大きな損害を与えかねません。
このような事態は、いくらでも起こりえます。画期的な販促計画を立てても、営業現場で対応不能かもしれません。あるいは、商品のデザイン変更をしようとしても、工場のラインの組み換えが必要なため実現できないというケースもありえます。
ですから、意思決定をする際には必ず、この「実現可能性」を確認する必要があります。そのためには、まず、マネジャーが「この提案をすれば、社内の他部署にどのような影響があるか?」を考えることです。そして、提案してきたメンバーに、個別具体的な関係部署を示しながら、「彼らとコミュニケーションを取ったか?」「現場に足を運んで確認したか?」と必ず確認するのです。
1on1ミーティング、少人数ミーティング、定例会議など、あらゆる機会にこの確認をすることで、メンバーに「実現可能性を確認する」という基本動作を刷り込むことが重要なのです。