ブレスト会議の参加人数は「7±2」

 また、ブレスト会議の参加人数は「7±2」が原則です。
 経験上、皆さんもおわかりかと思いますが、2~4人ではアイデアが拡散せず、思いも寄らないアイデアが生まれることは少ないものです。だからといって、人数が多ければいいというわけではありません。一定人数を超えると、必ず会議は暴走を始めるからです。そこで目安となるのが「7±2」の法則です(下図)。

「ブレストなんて意味がない…」と言う前に、マネジャーが注意すべきこと

 この法則は、アメリカの認知心理学者であるジョージ・ミラーが提唱した「マジカル・ナンバー」に基づくものです。ミラーは、人間が瞬間的に記憶できる情報量の限界は「7±2」であることを発見。この「7±2」をマジカル・ナンバーと名付けたのです。

 マジカル・ナンバーは、いたるところで活用されています。たとえば、電話番号は「〇〇〇-〇〇〇-〇〇〇〇」と区切って表記されますが、それは「〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇」と表記すると、全部で10の数字が並ぶために、即座に数字を把握できないからです。そこで、ハイフンによって、1つの情報の塊を「7±2」以下に収まるようにしているのです。

 これは、ブレスト会議の人数にもあてはまります。「7±2」以上の人数に増えると、誰が何を言ったのか記憶することができなくなります。その結果、ディスカッションの内容を誰も把握できなくなり、会議が拡散・暴走し始めるのです。

 本当のことを言えば、定例会議の参加人数も「7±2」が望ましいのですが、これを超える人数を抱えるチームではそうはいきません。しかし、任意参加のブレスト会議においては、参加人数を「5~9人」に収めることを原則とすべきなのです。

 とはいえ、あくまでベストは「5~9人」であって「2~4人」でブレストが成立しないわけではありません。皆さん忙しいですから、ムリに「5~9人」を集めることに固執する必要はありません。「5~9人」を集めるのが難しければ、「2~4人」であってもブレストを行うことを優先すべきでしょう。