ブレスト会議では「否定」しない
もうひとつ重要な鉄則があります。それは、ブレスト会議では「誰かのアイデアを否定しない」ということです。
これまで、私はさまざまな企業のブレスト会議に参加してきましたが、「なかなか意見が出ない」「アイデアを出すメンバーが限定的」という光景をよく目にします。これでは、ブレスト会議をやる意味がありません。参加者が自由にアイデアを羽ばたかせて、それをアウトプットするからこそ、思いも寄らないアイデアが生まれ、それらが結びついて「これは!」と思えるアイデアが誕生するのです。
では、なぜ、このようなブレスト会議が生まれるのか?
答えはただひとつ。口にしたアイデアを否定されるからです。いくら「自由にアイデアを出して」と言われても、そのアイデアを否定されたら、誰だって傷つきます。そして、「自由に」という言葉を信用できなくなるのです。その結果、声の大きい人ばかりがアイデアを口にして、“お定まり”のアイデアしか生まれないブレスト会議が生まれるわけです。
そして、ブレスト会議を“殺す”可能性が最も高いのが、マネジャーであることを胸に刻まなければなりません。「ブレストなんかやっても意味ないよ……」と言うマネジャーもいますが、そうさせているのは自分自身であることに気づけていないケースも多いのではないかと思います。現場のメンバーにとってマネジャーは最も身近な権力者です。その権力者が、出てきたアイデアを否定した瞬間に、メンバーは口を閉ざします。機能するブレスト会議を実現するためには、マネジャーが自らを律することが重要なのです。
そして、ブレスト会議では、あらゆるアイデアを許容する。マイノリティのアイデアを大切にする。これこそが、ブレスト会議を活性化させる絶対的な鉄則なのです。