「質問+回答」を交互に行う
「Q&A会議」がスタートしたら、まず最初の3~5分で、担当者が作成した提案書に添ってプレゼンをします。チーム内の定例会議や上層部の会議でのプレゼンの予行演習と言ってもよいでしょう。
本当は、参加者には事前に資料に目を通してもらって、開始と同時に「Q&A会議」に入れると効率的なのですが、ここでも、みな忙しいので、基本的には目を通していないという前提に立ったほうがいいでしょう。ただし、「3~5分」は取っていますが、できるだけ手短に済ませるようにします。
そのうえで、10分間で質問と回答を繰り返し行います。時間が許す限り、どんどん質問してどんどん回答する感じです。回答に対して理解できない場合は、さらに追加で質問します。クイックに一問一答を繰り返し「10分」でこのパートを終わるイメージです。もちろん、質問が早期に出尽くした場合は無理に時間いっぱい行う必要はなく、次の「各自コメント」のパートに入って大丈夫です。
主催者(ファシリテーター)は質問要旨と回答要旨をその場でホワイトボードに書いて参加者全員で目視できるようにするといいでしょう。
たとえば、小売店舗の来客数増の施策として「店長への接客接遇研修の実施」を提案する場合であれば、次のような「Q&A」が展開されるイメージとなります。
【Q】参加者A「店長研修としていますが、スタッフ全員にしたほうが効果的なのでは?」
【A】担当者「それも検討しましたが、(アペンディックスを示しながら)予算と時間がかかるために、まずは店長研修から着手すべきだと考えています。また、この店舗は新任店長であることも考慮しました」
【Q】参加者B「予算30万円となっていますが、さらに安価にはできませんか?他の店舗で採用したXという研修会社は25万円で効果もあったとの報告があります」
【A】担当者「X社のことは把握していませんでした。調査したうえで検討いたします」
【Q】参加者C「店長研修で効果があれば、スタッフ全員研修も実施するつもりですか?その場合、店舗のオペレーションに問題が発生するのでは?」
【A】担当者「たしかにそうですね。まずは、店長にスタッフに対する接遇指導を徹底してもらおうと思っていますが、それで足りない場合には、スタッフ全員研修も検討するつもりでしたが、オペレーションの問題がありますね……」
このようなイメージで、「Q&A」をリズムよく進めるのがいいでしょう。それぞれの論点を深掘りするのではなく、まずは、参加者全員の問題意識を出してしまうのです。そして、担当者はわからないことは「わからない」と明言してOK。むしろ、盲点を指摘してもらったことを感謝して受け入れればいいのです。