willと現在進行形の違いは、
その未来のことが前から決まっていたかどうか

英語には、3つの未来形がある<br />ニック・ウィリアムソン
オーストラリアのシドニー出身。 シドニー大学で心理学を専攻。同大学で3年間日本文学も勉強し、日本の文化にも明るい。在学中にオーストラリアの日本大使館が主催する全豪日本語弁論大会で優勝。日本の文部科学省の奨学金を得てシドニー大学卒業後、東京学芸大学に研究生として1年半在学。在学中にアルバイトとして英会話スクールで英語を教え始め、卒業後も看板講師として勤め上げる。英語講師として20年間のキャリアの中で、英会話教室をはじめ、企業向け英語研修や大学の講義、SKYPerfect TVの番組の司会やラジオのDJ、数々の雑誌のコラムや7冊の英語本の執筆など、活動の場は幅広い。ゼロから日本語を完璧に習得した経験と、大学で専攻していた神経心理学の知識をもとに、非常に効果的で効率的な独自の言語習得法を開発。著書に『たった40パターンで英会話!』『中学レベルの英単語でネイティブとペラペラ話せる本』『中学レベルの英単語でネイティブとサクサク話せる本[会話力編]』(以上、ダイヤモンド社)『旅の英会話伝わるフレーズ集』(ナツメ社)など。

 willは「今決めた」というニュアンスで、日本語で言えば「じゃ、~するね」という感じです。話の流れでその場で決めたときに使います。不確定な未来のことも「will」を使います

 現在進行形は「前から決まっている」未来のことを表します。日本語で言えば「~するんだけど」といった言い方です。すでに決まった予定があり、その予定を人に伝えるときに使います。

 例えば、「明日は仕事だ」は、I’m working tomorrow.

 と言います。明日、仕事が入っているのは前から決まっている予定なので、 「will」ではなく「現在進行形」です。 「I will work tomorrow.」とは言いません。

「来年30歳になります」は、I’m turning 30 next year.

 と言います。いつ30歳になるのかは決まっています。ここで「I’ll turn 30 next year.」と言うと「じゃ、来年30歳になろうかな」とその場で決めたことになっちゃいます。どんなに遠い未来でも、決まっていることなら「will」ではなく「現在進行形」です。

「じゃ、後で電話するね」は、I’ll call you later.

 と言います。話の流れでその場で決めたことなので「will」を使います。「I’m calling you later.」だと「後で君に電話することにしているんだ」という、ちょっと怖いニュアンスになります。どんなに近い未来でも、前から決まっていなければ「will」です。前から決まっていることは現在進行形です。

「迷子になりそう」は、I’ll get lost.

 と言います。迷子になるかどうかは不確定な未来ですので「will」を使います。ここで現在進行形を使うと「明日は迷子になる日だ」と、まるで迷子になるのがスケジュールにあるような感じとなり、違和感があります。

 例えば、映画に誘われたとき、先約があって断るなら現在進行形を使います。「will」を使うと失礼になってしまいますので、気をつけましょう。

 A:明日、映画を観に行かない?
   Do you want to see a movie tomorrow?

◎B:明日はテニスをすることになってるの。
    I’m playing tennis tomorrow.

×B:じゃ、明日はテニスをするわ。
    I’ll play tennis tomorrow.