上司の「悩み」を把握する
「相談」が終われば、上司とのミーティングは基本的に終わりです。
ただし、まだ時間に余裕があるようであれば、私は、「何か、われわれのチームにできることはありませんか?」「さきほどの会議いかがでしたか?」などと質問するようにしていました。つまり、上司の「悩み」を聞くのです。
上司は、上層部から直接さまざまな指示を受ける立場にいます。つまり、「上層部で何が問題になっているか?」を知る最も身近な存在なのです。そして、上司は、必ず「悩み」を抱えています。悩まずに済むような事柄であれば、そもそも、上層部も問題にはしません。何らかの解決しがたい問題があるからこそ、上層部は指示を出しているわけです。
だから、上司の「悩み」を聞くということは、すなわち「上層部で何が問題になっているか?」を知ることにほかならないということ。そして、上司の「悩み」を自分の「悩み」とすることで、自然と「視座」を高めることができるのです。
たとえば、チームで検討を進めている事業提案について、上司と同じ「視座」で考えることができれば、また違った観点が得られるはずです。そして、提案内容に磨きをかけることができれば、上司はもちろん上層部にとっても説得力のあるものにすることができるに違いありません。その結果、最速でチームの事業提案にGOサインを出してもらえるようになるのです。
しかも、上司にすれば、そのように自分の「悩み」に応えてくれる部下に対しては、信頼を厚くしてくれるはずです。そして、ショート・ミーティングの場でも、こちらが質問せずとも、自ら「悩み」を打ち明けてくれるようになるはずです。このような関係を築くことができれば、上司との確たる信頼関係が生まれたと言えるでしょう。