私は、ヒョウ柄をまとったおばちゃんが、飴をシェアすることで相手との関係性を縮めている場面を何度も目にしています。安価で携帯性に優れた飴を、コミュニケーションツールとして上手に活用しているのです。

一説では、「騒がしい子どもに飴を与えると静かになる」という理由で「飴ちゃん」が普及し始めたともいわれています。「クレーマー予備軍」に対して丁寧な挨拶を呼びかけるのは、道理にかなった危機管理なのです。

挨拶では、相手と目を合わせることが大きなポイントです。ただ、目線の合わせ方は意外に難しいものです。相手の目をにらみつけるわけにはいかず、かといって目をそらすこともできません。

そこで私は、相手の目元から両肩にかけて三角形を描き、3つの頂点に時間差をつけて焦点を合わせるようにしています。また、男性のネクタイの結び目のあたりを見つめると、自然な視線になるともいわれています。

最低限押さえておきたいのは、相手にヘソを向けて話すことです。そうすれば、少なくとも、相手と真剣に向き合っていることは示せます。

『クレーム対応「完全撃退」マニュアル』では、このようなクレーム事例をふんだんに紹介しながら、対面・メール・電話あらゆる場面における正しい対応法、ネット炎上を鎮火させる方法、高齢化に伴い増加している「シルバーモンスター」の実態と対策など、クレーマーの終わりなき要求を断ち切る23の技術を余すところなく紹介しています。

ぜひ、現場で使い倒していただき、万全の危機管理体制を整えた上で「顧客満足」を追求してください。

(参考記事)

「大阪のおばちゃん」と「クレーム対応」の意外な共通点

「半殺しだよ」→「怖いです」
「SNSで拡散するぞ」→「困りましたね」
究極のクレーム対応“K言葉”の活用術