2019年、「焦り」は自滅する!?
年初めに動いてはいけない理由

 さて、では来年(2019年)はどんな一年になるのでしょうか?

 来年は「山の八白」の影響を強く受ける年になります。
 八白の年は「静」と「動」が交じり合っている年とも言えます。

 その理由は以下です。
 八白を象徴するのは「山」です。

 山はいつもどっしりその場を決して動かず、その存在感を示しています。
ですので、八白の年には、これまで動いていたものが一度ピタッと止まってしまうという傾向があるのです。

 企業で虎視眈々と実施を企画しているプロジェクト。
 国家規模で計画していること。
 ここまで着々と進行してきたものが、一度、止まってしまう可能性が高いということを覚えておいてください。

 しかし、八白の年には「動」もあると先ほど言いました。
 これは、革命的なことが起きやすい一年でもあるということです。

 山は数年に一度、活火山であれば噴火します。
 物凄い勢いで噴出した溶岩は、周囲の全ての形を変えてしまいます。

 人間の世界でも、こういった、まるで火山の噴火のように激しいことが起きやすいのです。

 思えば、2001年の9.11の同時多発テロも八白の年でした。

「嵐の前の静けさ」とは言いますが、物事が一度止まるということは、「新たに見直す」という動作が入ります。

 そこで、革新的なアイデアを持つものや、カリスマ性を持ったものが現れたら、革命はすぐに起きるのです。

 小泉内閣が発足したのも2001年、八白の年
 あふれるカリスマ性で、大胆な構造改革をどんどん推し進めました。
 もう、かなりの年月が経ちますが、その姿を鮮明に覚えている人も多いのではないでしょうか?

 こういったことも踏まえて、八白の年はある意味、激動の年となるケースも多いのです。
 今現在、進行形で着々と進んでいるように見えることが、一度歩みをやめ、形を変えて一気に世の中に現れることがあります。

 来年2月(正確には節分明け)から八白の年は始まりますが、投資なども年初めの内は慎重に行ったほうがよいでしょう。

 うまくいっているようでも、いつ、どう化けるかわかりません。
 いい方向、悪い方向に流れるかも、この複雑に政治・経済事情が絡んだ現代では、はっきりと予想するのは困難です。

 2019年は「焦り」は禁物です。

 新規事業も、新規投資も、少し落ち着いた夏あたりから、世の中の動きをしっかりと見た上で、新しいことなどを始めるのが吉でしょう。
 じっくり落ち着いた行動こそが、人生を豊かにします。

 今年の連載はこちらで最後になります。
 今年は、連載100回超え(最長記録更新)など、読者の皆様には大変お世話になりました。来年も継続して連載してまいる所存ですので、何卒、温かいご支援をよろしくお願い申し上げます。

 それでは、よいお年をお迎えください。
 平成最後の年末年始、素敵なものになりますよう、心より願っております。

中野 博(Hiroshi Nakano)
信和義塾大學校創設者兼塾長、経営コンサルタント
早稲田大学商学部卒業。ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院ブランディング実践講座エグゼグティブコースを修める。ハーバードビジネススクールでは経営学を学ぶ(いずれも短期集中型の経営者クラス)。1992年、地球サミットに国連認定ジャーナリストとして参加したことを契機に環境ジャーナリストとして活動。1997年の地球温暖化防止京都会議を機に、株式会社エコライフ研究所設立。環境ジャーナリストとしての取材・分析力と経営コンサルタントとしての提案力をベースに、800社以上を環境ビジネスに参入させ成果を挙げる。その傍ら、住宅、環境を軸にした本を多数出版(本書が30冊目)。講演依頼も多く、国内外で2000回以上の実績。2005年、教育研修会社の株式会社ゴクーを設立。1万人のサンプリングを体系化した『9code(ナインコード)』をもとに、信和義塾大學校で指導にあたるほか、企業や各種組織で『9code』を利用したコンサルティングや人材活用研修も多い。現在、信和義塾大學校は、世界6ヵ国20都市以上にあり、塾生は700名超。