30万部を突破した『会話もメールも英語は3語で伝わります』の続編連載!英語は「主語→動詞→目的語」の3語でOK!
本連載では、「日本人にありがちな英語」と「3語の英語」を対比させ、「どこをどう考えれば、3語の英語になるのか」を徹底解説します。「3語の英語」の発想が身につくだけでなく、話すための英文法もインプットされます。
「日本人にありがちな英語」は間違っているわけではありません。しかし、「3語の英語」の発想を持つことで、もっと英語がラクになり、話すことが楽しくなります。
最新刊『英語は3語で伝わります【どんどん話せる練習英文100】』の著者である中山裕木子氏が、そのエッセンスをやさしく語ります。
シンプル英語のカギは「動詞」
本日も「日本人にありがちな英語」を「3語の英語」に組み立て直す練習をしていきましょう。さっそくですが、次の日本語を英語にしてください。
「家庭は仕事よりも大切なんです」
多くの場合、次のような英文にしてしまいがちです。
× Family is more important than career.
株式会社ユー・イングリッシュ 代表取締役。公益社団法人日本工業英語協会 理事・専任講師。英検1級・工業英検1級取得特許翻訳者
2000年、特許事務所で電子・電気、機械の特許明細書の日英翻訳を開始し、テクニカルライティングに出合う。2001年に工業英検1級取得。首位合格により文部科学大臣賞を受賞。2015年6月、TEDxKyotoUniversityでSimple English for Everyone (シンプル英語のススメ)と題したスピーチをする。気後れせずに皆が英語を使える日本を目指して、「伝わる英語を身に付ける」をモットーに、企業・大学などで指導を続ける。
ワークライフバランスの話をしていて、「家庭は仕事よりも大切」と言いたくなることがあるかもしれません。be動詞と比較級more importantを使った正しい表現ですが、単語数も多く、大変です。
ここで、「3語の英語」にトライします。ポイントは動詞です。家庭と仕事を左右に並べ、真ん中に「重要である」という動詞を探しましょう。下記のようなイメージです。
Family ( ) career.
be動詞を使った文は、長くなりがちです。be動詞ではなく他の動詞が使えないか、という発想を常に持っていることが大切です。
「仕事」はcareerを使いました。「仕事の実績」や「生涯の仕事」といった意味になります。日本語では「キャリア」ですが、英語での発音は「クリィア」という音です。気になる人はインターネットなどで発音を調べておきましょう。
「3語の英語」にしよう
(1)家庭 (2)(重さが)勝る (3)仕事
「勝る」という面白い動詞を紹介します。「out(勝る)」+「weigh(重さが~である)」を足したoutweigh(~より重要である)です。
○ Family outweighs career.
outweigh(重要度が上回る)、outperform(パフォーマンスが上回る)、outpace (ペースが上回る)、overpower (味などが勝つ)といった面白い単語を使いこなしてみましょう。
• Profits outweigh costs.(利益が経費を上回っています)
• Its good points outweigh its bad points.
(利点が欠点を上回っています)
• Engineering graduates outperform liberal arts majors in the job market.
(理系新卒者は、就職戦線において文系よりも優位です)
※engineering graduates=理系新卒者、liberal arts majors=文系
• Demand will outpace supply.(需要が供給を上回るでしょう)
• The ginger overpowers the lemon.
(しょうががレモンに勝っている=しょうがの味がきつすぎます)
「しょうがの味がレモンに勝ってる」をThe ginger is stronger than the lemon.とする代わりに、be stronger thanをoverpower 1つで表せます。たった1語で、情報を多く示すことができる面白い動詞の紹介でした。